研究課題
基盤研究(C)
本課題では,肌のきめが見えるレベルのフォトリアリスティックな皮膚画像の合成技術の確立を目指した.微細な特徴として,産毛と色素斑それぞれについて解析と合成を行った.産毛をマイクロスコープで観測し,その結果を基に産毛パターンを皮膚画像に合成した.その際,画像処理により皮溝の交点を求め,毛穴候補点としてその位置を始点として産毛が生えるように合成した.色素斑についてはDCGAN等ディープラーニングによる画像生成を応用して色素斑パターンを作成し,分光情報に基づき色素の吸収を考慮して皮膚画像に合成した.
カラー画像処理
CGにより生成された人物画像に対する現実の人物との違和感は肌の質感が大きいと考えられる.本研究により,肌のきめが見えるレベルの皮膚画像に対し,微細な産毛や色素の分布を考慮することで,皮膚の高質感画像生成が可能になったと考えられる.本研究の成果は特にCGにおける質感付与に寄与できると考えられる.また,皮膚に関する医療分野での応用や化粧の効果のシミュレーションなどの産業分野での応用が期待される.