研究課題/領域番号 |
17K00256
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
波部 斉 近畿大学, 理工学部, 准教授 (80346072)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 群衆行動 / 不審行動 / 人物検出 / 畳み込みニューラルネットワーク |
研究実績の概要 |
本年度は,昨年度実施した,低解像度映像における個々人の意図・状態推定を行うための基礎検討の結果を受けて,その拡張を行った. 低解像度映像における人物行動解析のために人物頭部を検出する手法を拡張し,人物の追跡を可能とした.頭部が存在する確信度マップをCNN(畳み込みニューラルネットワーク)で推定して頭部を検出したあと,その動きモデルを用いた隣接する画像フレーム間での追跡を行う.概ね良好な結果が得られているが,群衆の密度が高い状況では追跡に失敗することがあることが課題となっている. さらに,人物の意図・状態を示すと思われる顔向き推定を行う手法を検討した.すでに提案されている手法の適用可能性を検討したところ,DeepGaze を用いた場合の精度が良いことが分かった.DeepGaze は顔画像を入力として,CNN(畳み込みニューラルネットワーク)によって顔向きを推定するものである.特に,評価に用いたデータセットの中で,スタジアムでの観客席を想定したものではほぼ100%の精度が得られることがわかったため,このシーンを中心に意図推定の基礎検討を実施した. 前年度実績報告書に記載したとおり,国立研究所において本研究に最適な映像データセットの構築を行っているため,共同研究契約を結んでそのデータセットを利用することとした.スタジアム観客席,駅構内,スタジアムに向かう道路などにおける不審行動を模擬したものである.上記の本年度の成果はこのデータセットを利用したものである.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【研究実績の概要】で述べたとおり,個々人の意図・状態推定手法の考案については,当初予定していたような成果を得ることができているが,群衆の密度が高いなどの困難な状況への対処が課題となっている.
|
今後の研究の推進方策 |
【現在までの進捗状況】で記載したとおり,映像処理が困難なケースが見られているが,それは限定的であるため,当初予定どおり最終年度の研究を行っていく予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定していた計算機が,新製品の発売によって高性能なものを安価に導入することができた.そのため,次年度使用額が生じている. 次年度にはデータベースの増強にかかる費用(HDDなど)に充当して研究を効率的に進める予定である.
|