研究実績の概要 |
本研究は、遭遇型多指力覚提示機構の拡張と触覚デバイスの開発、その融合からなる。遭遇型多指力覚提示機構については、開発プラットフォームを、UnityとSpringHeadを融合して開発を進めており、多指力覚提示機構をUnityで制御する機能を作成した。力覚提示の遭遇型を実現するためには、各指に実装されている力覚位置変更機構と力覚角度変更機構を制御する必要があり、それを制御する機能を開発している。 触覚提示部は、緊急事態や蔓延防止体制の制限により、東北大での試作が難しいため、UC Berkeley, Prof. Liwei Linと協同研究していた、薄型チャージ型圧電デバイスの高密度化に、目標を変更した。このデバイスは、0.25mmの薄型で、2枚のFEPフィルムで、柔軟なシリコンゴム膜を挟み、さらに、電荷をチャージすることにより、その膜に圧電機能を持たせ、アクチュエータとセンサー両方の機能が形成できる。デバイスのプロトタイプを作成し、3.5mm間隔の電極において、個別に70-300Hzの振動力を励起でき、人の指への触覚提示が可能であることを確認した。この成果は、IEEE VR 2022のWorkshopで発表した。 遭遇型多指力覚提示機構については、力覚提示位置と力覚角度変更のためのモータ制御を、FPGAから、多軸モータ制御ボードに変更し、モータ制御システムを開発している。本年度は多軸モータ制御ボードと自作モータドライブアンプを連結してモータ制御は可能となり、モータの位置初期化と力覚提示時の力覚提示位置変更機能を開発した。Unity上では、指モデルと操作対象モデルの接触点を、3次元モデルに対して多重解像度モデルを適用して、近接時から高速、高精度に最短距離や接触位置を計算して、接触位置を変更できるように、機能開発を行った。
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