研究課題/領域番号 |
17K00287
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
神田 智子 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (80434786)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヒューマンエージェントインタラクション / ヒューマンロボットインタラクション / HAI / HRI / 対話エージェント / 社会的対話ロボット / 非言語行動 / 視線 |
研究実績の概要 |
本研究では,多文化共生社会に適応可能なエージェントおよびロボットの非言語行動の設計における考慮点を提言することを目的とし,このために,1.人間同志のコミュニケーションにおける非言語行動の文化差をモデル化し,2.モデルに従って文化に特有な非言語行動をエージェントやロボットに実装し,3.人間とエージェントおよびロボットのインタラクション評価実験を行う.29年度は,対話エージェントの視線の文化適応モデルの作成と,日米の視線行動をとるエージェントとのインタラクションの印象評価実験を行った.30年度は,対話ロボットに上記の視線行動を実装し,実体性の異なるエージェントとの印象評価実験を行った.31年度は接客をする対話ロボットに積極性を変化させた非言語行動および外見を実装し,ロボットとのインタラクション評価実験を行う予定である.平成30年度の研究計画は,下記の通り計画通りに進捗した. 1)対話ロボットに日本の視線モデルを実装:29年度に作成した日本人視線モデルを用いて,視線を遷移させながら発話する対話ロボットを実装した. 2)評価実験の実施:日本人の視線行動をとる対話エージェントと対話ロボットを用いて,実体性が異なる場合の視線行動の影響を,人間‐エージェント/ロボット間のインタラクション評価実験で比較した.上記の対話ロボットの行動制御を実装するための,開発環境を構築した.また,31年度のロボットの接客行動の実験に備え,エージェントやロボットの外見による印象評価実験を行った. 3)研究成果の発表:上記研究成果を,国内会議3件,国際会議4件で発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
30年度は,29年度に作成した日本人視線モデルを対話ロボットに実装した.視線モデルを実装するための対話ロボットの制御方法を29年度に学習していたため,視線行動の実装は比較的スムーズに進展した.29年度に視線行動を実装した対話エージェントと,30年度に新たに視線行動を実装した対話ロボットを用いて,人間と対話エージェント/対話ロボットとのインタラクション評価実験を行った. また,研究を前倒しに進め,31年度に予定している外見と積極性を変化させた接客ロボットの評価実験のために,ロボットやエージェントの外見が人間に与える印象変化実験を行った. 全般的に見て,30年度も,当初の計画通り研究を遂行できている.
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今後の研究の推進方策 |
31年度は,対話ロボットに受付や挨拶行動を実装するため,外見,視線行動に加え,挨拶行動に伴う非言語行動を実装し,その積極性を変化させて評価実験を行う予定である.さらに,「多文化共生社会に寄与するエージェントおよびロボットの非言語行動研究」の3年間の成果を,対話エージェントおよび対話ロボットの実体性の差異と,視線や非言語行動による印象変化の観点からまとめ,成果の発表を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
31年2月の国際会議発表のための海外出張の旅費が,当初の見積より安価であったため,次年度使用額が14,972円発生した.31年度の実験および成果発表のための旅費として活用する予定である.
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備考 |
大阪工業大学情報科学部情報メディア学科ヒューマンインタフェース研究室のHP下に,研究成果の概要とスライドを掲載.
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