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2018 年度 実施状況報告書

ユーモアの面白さの評価手法及び標準データセットの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K00294
研究機関北海道大学

研究代表者

荒木 健治  北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (50202742)

研究分担者 内田 ゆず  北海学園大学, 工学部, 准教授 (80583575)
佐山 公一  小樽商科大学, 商学部, 教授 (90271733)
谷津 元樹  青山学院大学, 理工学部, 助教 (30805015)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードユーモア / 駄洒落 / オノマトペ / 皮肉 / 対話破綻回避 / 動画コメント
研究実績の概要

H30年度は,H29年度に開発した駄洒落データベースをさらに拡張し,分析を行い,その拡張された駄洒落データベースを用いて面白さの要因の分析をさらに進める計画であった.そこでH29年度にインターネット上の駄洒落を収集した9つのサイトから,その後追加された駄洒落を大量に自動的に収集し,駄洒落データベースの拡張.分析を行った.その成果をH30年9月に開催された第58回ことば工学研究会において発表を行った.
さらにこの拡張された駄洒落データベースを用いて認知科学的見地から駄洒落の面白の要因の分析を行った.この結果について前述の研究会において発表を行った.また.駄洒落データベースに含まれるオノマトペの分析をさらに進め,その成果を知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌)において発表した.また,さらに駄洒落を収集するためにニコニコ動画のコメントに含まれる駄洒落を自動的に収集するシステムを開発し,その検出精度を考察した.この成果は,情報処理学会第81回全国大会において発表を行った.また,皮肉検出における感情生起要因の有効性の検討および駄洒落の自動生成を雑談対話システムにおける対話破綻回避に使用しその有効性を確認した.これらの成果は,人工知能学会第9回対話システムシンポジウム研究会および第17回情報技術フォーラム(FIT2018)において発表を行った.
当初の計画であったさらなるユーモアの収集によるデータベースの拡張については,当初の予定をほぼ遂行でき,面白さの評価手法の検討については,拡張された駄洒落データベースを用いて,認知科学的な観点から面白さの要因分析を行ったので,当初の予定をほぼ遂行でき,さらに,駄洒落に含まれるオノマトペの分析,動画コメントからの駄洒落の自動抽出,皮肉の自動検出,対話システムにおける駄洒落を用いた対話破綻回避を行ったので,これらについても当初の予定をほぼ遂行できたと考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の最終目的は,ユーモアについての標準データセットを開発し,開発された標準データセットを用いてユーモアの面白さの評価手法を確立することである.この観点からみると,H30年度は駄洒落について大規模なデータベースのさらなる拡張を行い,拡張された駄洒落データベースを用いて面白さの要因分析やオノマトペの分析を行い,さらに拡張するために動画コメントからの駄洒落の自動検出,皮肉の自動検出,対話システムにおける駄洒落自動生成システムの対話破綻回避への応用を行ったので,当初の計画は概ね順調に進展していると考えられるが,当初のH30年度に行う予定であった駄洒落の面白さを人手で評価する部分についてはH31年度に行う予定である.
また,駄洒落以外のユーモアを収録した統合的なユーモアデータベースについても開発を進める予定である.このために,動画コメントやブログから自動的に駄洒落を抽出することや,ツイッターのデータを増加させ,その中から皮肉を大量に収集することを予定している.さらに,これらの統合された多くのユーモアに対して,データベース中に人手で面白さのスコアを付与し,ユーモアデータベースを完成させることを予定している.

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策については,まず第一に拡張された駄洒落データベースに対して面白さの評価を人手で行うことを予定している.面白さの評価について予備実験を行ったところ,個人差が大きいことが確認されているので,たんに平均値を付与するだけでなく,複数の評価者のスコアを並列で表記し,それとともに平均値を示すことでユーモアの面白さの研究に利用しやすくすることを予定している.
また,ネット上の駄洒落サイトからの駄洒落の収集はすでに収束状態にあるので,多様な駄洒落を収集するためにH30年度に行ったニコニコ動画などの動画サイトからの駄洒落の自動抽出をさらに進める予定である.この場合には,駄洒落の種表現がテキストではなく動画中に存在することも多いので,動画などの画像を含めた駄洒落の収集も検討している.
また,H31年度は本研究課題の最終年度であるので,統合したユーモアデータベースを本科学研究費で開発したことを明記した上で研究代表者のホームページに置き,利用を希望する人からメイルで使用目的などの情報を得た上でダウンロードのパスワードを連絡しダウンロードしてもらうことを考えている.すでに,AIスピーカーを開発しているメーカーなどから利用希望をいただいている.周知方法としては,言語処理学会,人工知能学会,日本知能情報ファジィ学会のメーリングリストに流すこと及び,これ以外の文系のメーリングリストについては研究分担者から依頼を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

当初,H30年度計画では,旅費2件及び各学会参加費の計上が見込まれていた.しかし,対人評価実験の進捗の遅れ(被験者数の不足)により,第58回ことば工学研究会での発表が困難とな栗,本研究会での研究発表を見送ったため当初予定していた分担金全額の使用が困難となり,結果として残額が発生することとなり次年度使用額が生じた.
H31年度はこれら研究会相当の発表の機会に参加し研究成果の発表を行い,分担金を旅費及び学会参加費にて全額使用する予定である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 計算機で言葉の意味を扱う難しさーオノマトペのあいまいさを例にー2018

    • 著者名/発表者名
      内田ゆず
    • 雑誌名

      知能と情報(日本知能情報ファジィ学会誌)

      巻: 30,4 ページ: 28-30

  • [学会発表] 動画コメントデータ及びブログ記事における駄洒落の抽出2019

    • 著者名/発表者名
      谷津元樹,荒木健治
    • 学会等名
      情報処理学会第 81 回全国大会講演論文集, 23-24
  • [学会発表] 皮肉検出における感情生起要因の有効性2018

    • 著者名/発表者名
      魚住ゆい,内田ゆず,荒木健治
    • 学会等名
      第17回情報技術フォーラム(FIT2018)講演論文集, 163-164
  • [学会発表] 駄洒落を用いた雑談対話システムにおける対話破綻回避の有効性2018

    • 著者名/発表者名
      徐雲帆,荒木健治
    • 学会等名
      第17回情報技術フォーラム(FIT2018)講演論文集, 161-162
  • [学会発表] 雑談対話システムにおけるLSTMを用いた駄洒落による対話破綻回避の有効性2018

    • 著者名/発表者名
      徐云帆,荒木健治
    • 学会等名
      第9回対話システムシンポジウム研究会資料, 143-148
  • [学会発表] 駄洒落理解過程のモデル化 -駄洒落の事例を手続きで分類する-2018

    • 著者名/発表者名
      佐山公一,荒木健治
    • 学会等名
      第58回ことば工学研究会, 17-27
  • [学会発表] 駄洒落データベースの拡張及び分析2018

    • 著者名/発表者名
      荒木健治,佐山公一,内田ゆず,谷津元樹
    • 学会等名
      第58回ことば工学研究会, 1-15

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公開日: 2019-12-27  

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