研究課題/領域番号 |
17K00309
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高野 茂 九州大学, 持続的共進化地域創成拠点, 准教授 (70336064)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | マルチセンシングデータ解析 / ウェーブレット解析 / 深層学習 / 画像認識 / スマートセンサ情報システム |
研究実績の概要 |
本研究では、個人や環境に適応するマルチセンシングデータ解析システムの開発を実施した。ICTを活用した持続可能な社会を構築するためには、実社会の様相をセンシングし、テデータを解析することが必要不可欠であるが、センサデータのセキュリティやプライバシーを考慮することが大変重要である。そこで、センシングデータから個人や環境の状況を判断するために、深層学習によるアプローチで構築されるDeep Lifting Waveletの学習理論を考案し、マルチセンシング環境が収集するヒトや環境に関する0次データを、より高次の状態を識別可能な1次データに変換する手法を提案する。
R1年度は、Lifting Waveletに基づく学習モデルの表現力の向上させるために、学習過程において、初期フィルタを更新する手法の確立を目指した。これにより、理論的には任意の双直交ウェーブレットを構成することが可能であり、画像認識等に有用なウェーブレットフィルタを抽出することができる。学習理論の公表および実データへの適用については、次年度に持ち越す。提案手法では、センサが収集する0次データを、セキュリティやプライバシーを考慮した1次データに変換する機構を小型デバイスに実装することができる。これは、センサにより収集した生データをそのままクラウドサーバに蓄積する従来型の収集機構ではなく、末端の収集デバイスの中で、セキュリティやプライバシーを考慮した1次変換を施し、新しいセンサデータとして提供することのできる仕組みとなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者らが従事する別プロジェクトにおいて、プライバシーの考慮が必要な屋外画像処理を必要とする研究開発を推進している。しかしながら、当初予定より、公共空間での映像解析環境構築に時間を要している。本研究では、我が国における公共空間における見守りサービスを社会実装に向けて、同環境において、本研究で開発している小型デバイスの性能計測を実施するべく、1年間の研究期間の延長を申請する。
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今後の研究の推進方策 |
エッジデバイスによる画像認識に有用な新しい学習理論の構築を進めると共に、実際のセンサデータへの応用を実施する。研究成果は、国内外の学会において発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の研究成果発表にかかる旅費での支出を計画しておりましたが、発表を次年度に延期いたしました。来年度以降は、研究成果を社会実装できるよう、引き続き提案手法を実装したエッジデバイスの開発および学習機構の構築に予算を集中するように計画しています。
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