研究課題
本研究の目的は,進化的計算などの集団的最適化アルゴリズムにおいて,探索点の隣接関係から山谷構造を求め,探索点の分布タイプを推定し,探索点をグループ化してグループ毎に探索点の生成・置換戦略やアルゴリズムパラメータを動的に制御することにより,高次元多峰性問題を効率的に解くことである.本年度の主な研究成果は以下の通りである.①目的関数の概形推定,特に山谷構造の推定について,Gabrielグラフ(GG)と相対近傍グラフ(RNG)の併用について研究してきたが,適切な選択確率の設定が困難であった.新しい近傍グラフとして,パラメータβによってGGとRNGの中間的な性質を持つグラフを設定できるβ緩和相対近傍グラフ(βRNG)を提案した.グラフを用いた種分化に基づく差分進化(SDE-G)のグラフとしてβRNGを採用し,代表的なベンチマーク問題を最適化することにより,提案手法の有効性を示した.②悪い解から良い解への方向ベクトルを利用するdirectional mutationにおいて,解を関数値でランク付けし,悪い解と良い解を選択するランクの範囲を適応的に調整するadaptive directional mutationを提案した.これにより,良い方向だけでなく,適度に悪い方向への移動ができるため,局所解からの脱出が可能となり,安定した探索が実現できた.代表的なベンチマーク問題を提案手法で最適化し,従来手法と比較することにより,有効性を示した.③制約付き最適化問題を解くために,2019年度に提案した等価ペナルティ係数(EPC)法を改良し,EPC法のパラメータを適応的に調整する方法を提案した.粒子群最適化(PSO)アルゴリズムに対して,改良したEPC法と新しく提案した突然変異操作を導入した.提案手法により制約付き最適化問題を解き,代表的な手法と比較することにより,有効性を示した.
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Artificial Life and Robotics
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