研究課題
本研究では,災害救助に関する研究を支援するために,災害救助戦略に必要なアルゴリズム群の活用及び応用と実験評価が容易で,更に実験結果を3D視覚化可能な開発実験評価の統合環境を設計・開発することを目的としている.今年度の成果の1つ目は,災害救助問題の主要課題の1つである資源割当問題を階層型分散制約最適化問題としてモデル化し,担当できる災害救助タスクの異なる,複数種類の災害救助ロボット群を対象とした,異種エージェント間協調災害救助戦略として実現したことである.この研究の意義は,災害救助問題の部分問題である「資源割当問題」を統合環境を用いて,より複雑な異種エージェント間協調を対象としたものに拡張したことである.また統合環境を活用して,正常動作を可能とした.この研究を通して,「開発実験評価の統合環境」の利便性を確認した.また成果の2つ目は,これまでの開発環境はJava言語によるものであったが,昨今のプログラミング言語の活用状況を考慮して,Python言語にも対応したプロトタイプ開発環境の設計をおこなったことである.Python言語で記述できる上,これまでのJava言語によるアルゴリズムモジュールを再利用可能とした.これにより,これまで以上に活用される開発・実験評価の統合環境となることが期待できる.本研究の最終年度までに,災害救助問題を対象とし,開発環境のフレームワークのJava言語正式版,Python言語プロトタイプ版,大規模なシミュレーションを可能とするクラウドシミュレーション可能な実験管理システム,3D視覚化可能な開発・評価視覚化システムの全てが動作可能となった.また,以上をまとめた書籍についても出版を準備している.今後は研究成果を広く活用してもらえるよう,研究開発を続けていく所存である.
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