研究課題/領域番号 |
17K00323
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研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
新田 雅道 公立小松大学, 生産システム科学部, 教授 (10258907)
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研究分担者 |
木村 春彦 公立小松大学, 生産システム科学部, 教授 (60141371)
梶原 祐輔 公立小松大学, 生産システム科学部, 准教授 (80710706)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歩きスマホ検知 / 経路危険度推定 / 衝突回避行動 / 視覚障害者用知的誘導手押し車 |
研究実績の概要 |
歩きスマホによる事故が多発しており、特に視覚障害者との衝突が問題となっている。歩きスマホの動きは急に変化するため、相手の動きが予測できず自己防衛がしにくい。本研究では、視覚障害者が歩きスマホに遭遇したときの、歩きスマホから身を守る支援システムの開発を目的とした。Webカメラ、スマートフォンの各種センサ、無線式骨伝導イヤホン、分散型レーザポインタ等を装備した視覚障害者用知的誘導手押し車を開発し、次の4つの実現を目指した。 ①歩行者の多い歩道における歩きスマホ者の検知:歩きスマホ者の特徴を、姿勢、歩行仕草、歩行速度などを既存の機械学習ライブラリを使って検出した。平行して深層学習によるAIを用いて更なる特性を探しだす研究も行った。②経路の危険度推定:歩きスマホ者の性格から4つの行動パターンに分類し、それに基づいて危険度推定を行った。歩行動作から協調性、神経症傾向を同定し歩きスマホ者を推定した。③歩きスマホ者への衝突回避通知:歩きスマホ者に対して視覚障害者の存在を知らしめるために、手押し車に搭載した分散型レーザポインタで歩きスマホ者の膝や床あたりを左右に揺らしながら点パターンを数多く照射させることにした。④安全経路への誘導:Webカメラからの画像情報を解析しながら、手押し車に搭載したモータ制御器による誘導を行った。歩きスマホ者の行動パターンと安全経路の検出を同時に行い、手押し車の速度やタイヤの向きを自動調整させ、安全経路に導くようにした。 最終年度は、③と④のシステム開発を中心に行った。③については、歩行者が大勢いる状態では頻繁に分散型レーザポインタを照射する必要があるため、対象者を特定する機能の課題が残った。④については、不測の事態に備え、手押し車の進む方向や、歩きスマホ者や障害物の存在を視覚障害者に教え、視覚障害者が状況に合わせ手押し車の操作を修正できる機能も付加した。
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