研究課題/領域番号 |
17K00340
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
相田 敏明 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 講師 (60290722)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 圧縮センシング / 画像処理 / 統計物理 / 辞書 / スケーリング |
研究実績の概要 |
今年度は,世界及び日本国内での新型コロナウィルス感染症の感染拡大の状況を踏まえ,学内での教育・研究環境の変更の必要に対処するため,本研究のための研究活動を殆ど実施することが出来なかったが,実施可能であった内容について記述する. 本研究は,少数のデータからの推測を可能にする圧縮センシングの,実問題への応用に不可欠な辞書行列に対して,その基底ベクトルが従う確率分布関数の解明を通してアプローチするものである.具体的には,画像処理への応用に必要な画像辞書を例に,次の3つの課題の解明を計画している.(1)画像辞書の従う確率分布関数の解析的導出,(2)画像辞書サイズの従うスケーリング則の解析的評価,(3)確率分布関数からの画像辞書の高速生成. この内,課題(1)については,既に解明済みである.課題(2)の解明には,統計物理学のレプリカ法を応用して,「劣化画像の復元問題」の解の,大自由度極限における典型的な振る舞いを解析的に評価することが適切である.そこで,上記問題の解の典型的な振る舞いを記述する非線形連立方程式を導出し,摂動近似により解析することを試みた.しかし,摂動展開される元の解が複数存在することや,また,摂動展開パラメータが不明瞭だという困難さのため,なかなか適切な解を得ることが出来なかった.今年度は,適切な摂動展開される元の解と,展開パラメータを同定し,非線形連立方程式の解を得ることに成功した.この結果に基づき,現在,(2)画像辞書サイズの従うスケーリング則の解析的評価に着手中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本課題自身が有する困難さとして,解析中に登場する非線形連立方程式について,摂動展開される元の解が複数存在することや,また,展開パラメータが不明瞭であり,なかなか適切な解を得ることが出来なかった. 上記に加えて今年度は,世界及び日本国内での新型コロナウィルス感染症の感染拡大の状況を踏まえ,学内での教育・研究環境の変更の必要に対処するため,本研究のための研究活動を殆ど実施することが出来なかった.
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り,本研究課題の最も困難な点は解決に至った. 今後は,新型コロナウィルス感染症の感染拡大の状況を踏まえた,学内での教育・研究環境変更の必要への対処を効率的に行い,研究時間を確保する.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は,世界及び日本国内での新型コロナウィルス感染症の感染拡大の状況を踏まえ,学内での教育・研究環境の変更の必要に対処するため,本研究のための研究活動を殆ど実施することが出来なかった. 次年度使用額は,得られた研究成果を発表する際に必要な,旅費等に充当する.
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