視線教示による電動車椅子の研究はいくつか存在するが、操作者の意図を認識しながら操作指示を行っている研究例は他には見当たらない。全周環境認識が可能な全方向車椅子もほとんど例がなく、操作者の意図した目標位置に自在に移動するには重要な機能と考える。また視線以外にも脳波、心拍などの操作者の生体情報計測により人間の心理状態を把握しながら操作支援を行うユーザフレンドリな知的走行支援システムも未開拓の研究テーマである。ここで得られた技術は人間工学分野での強力なヒューマンサポートシステムになり、将来的にはロボットの知能と人間の知能を融合した複合インテリジェンスの構築を目指した実用化研究に発展できると考える。
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