研究課題
本研究課題では,IoT時代の到来とともにより大規模かつ複雑化(強非線形化)するデータのニューラルネットワークによる学習を,高精度かつ高速に可能とする新たなアルゴリズムの開発を目指す.この目的の実現のために,以下の3点を中心に研究を行った.(1)準ニュートン法とモーメント法との融合による慣性付2次近似勾配モデルの提案,(2)提案モデルを用いたニューラルネットワークに対する学習アルゴリズムの高速化,(3)複雑な非線形特性を内包する大規模データのニューラルネットワークによる学習への応用これらの研究により,従来では実現不可能であった複雑さと規模を持つニューラルネットワークの学習問題を解決する.さらに,提案アルゴリズムを実問題への応用に発展させることで,その有効性を示すことを目的としている.これらの研究目的に基づき,以下の点に関して明らかにした.1つ目は,準ニュートン法とモーメント法の融合による慣性付2次近似勾配モデルの提案,及び,提案モデルを用いたニューラルネットワークに対する学習アルゴリズムの高速化手法の確立を行った.2つ目は,提案手法の収束性,及び,ハイパーパラメータの解析的な導出によるロバスト性の検証である.これに関しては,特に,モーメント係数の適応的手法を導入することに成功した.3つ目は,ミニバッチ法や記憶制限法を導入した大規模データ学習を考慮したアルゴリズムへの改良である.これらに関しては,従来手法よりも高速であることを確認した.また,最終年度においては,大規模ネットワークへの適応に関して,メモリーレス手法を組み合わせた新たなアルゴリズムの開発を行った.さらに,本研究課題における提案手法を,様々な準ニュートン法に基づく手法へ展開することを検討している.
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件)
Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE
巻: 13 ページ: 271~276
10.1587/nolta.13.271
Algorithms
巻: 15 ページ: 6~6
10.3390/a15010006
巻: 12 ページ: 554~574
10.1587/nolta.12.554