研究課題/領域番号 |
17K00357
|
研究機関 | 大分工業高等専門学校 |
研究代表者 |
木本 智幸 大分工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (30259973)
|
研究分担者 |
上江洌 達也 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (10160160)
園田 潤 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (30290696)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 地中レーダ / 埋設物識別 / 深層学習 / 3D-CNN / 物体識別 |
研究実績の概要 |
昨年に進めた3D-CNNと地中レーダ画像による地下埋設物の識別率向上の研究をさらに進めた。学習画像に効果的な前処理の方法と画像を3D化してCNN型AIに学習させる方法について研究し、埋設物体の種類だけでなく物体サイズについても識別率を向上させた。実際の地中は媒質の非一様性が存在する。そうした場合にも識別率が下がらないためにも3D化したCNNで識別することが有効であることを確認した。3D構造としてレーダ画像を取得する方法は、すでに地質調査会社では一般的になりつつあるため、3D-CNNで3Dレーダ画像を識別させるのは合理的な方法である。 物体の種別識別では、地中媒質に近い誘電率を持つ物体の反射強度が弱いため、識別が困難となりやすい。CNNでの識別であるため識別クラス(識別誘電率)が離散的な値となるが、その値を一定の数値間隔で選ぶのではなく、画像強度の弱い誘電率ではより狭い刻みで設定するなどの工夫を行った。また、弱い電解強度を明瞭にとらえるために、電解強度をその強さ毎に別チャンネルでとらえるようにして、3D-CNNに入力するようにすることで、微細な電解強度差をCNNに入力できるようになり、識別率を向上させられることも分かった。このように、3D-CNNは地下の3D構造を入力するためでけではなく、電解強度の情報表現の拡張に利用できることも分かった。 さらに、様々な地中レーダ反射波を変分オートエンコーダ(VAE)と呼ばれるAIで学習させることで、レーダ画像の統計的性質をAIに自動獲得させて、識別性能向上のための前処理とすることで、識別性能が向上することも分かった。VAEは教師無し学習モデルであるため、正解ラベルの無い画像の有効利用法にもつながることが分かった。
|