研究課題/領域番号 |
17K00358
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
梅原 広明 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室, 研究マネージャー (60358942)
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研究分担者 |
成瀬 康 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室, 室長 (00455453)
志賀 信泰 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所時空標準研究室, 主任研究員 (50536050)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 逐次ベイズフィルタ / マルコフ場確率モデル / 角度統計 / 位相測距 |
研究実績の概要 |
移動物体の位置を常時計測する技術としては,屋外における全地球航法衛星システムや屋内空間等における無線センサネットワークによる測位システムがある.高精度の位置決めを狙うには電波の強度や到来時間差ではなく,位相角を扱う.しかし,位相を用いた測距・測角では計測対象の距離や方位が計測される位相角の多価関数となっていることが問題となる.計測される位相角が主値の範囲(-π,+π]rad のみに限られ包(くる)められてしまい,主値域幅2πの整数倍を加えるアンラップが必要になる.この整数値は計測だけでは一意に決めることができず,ノイズが重畳されている場合には正確に求めることが難しい場合がある. そこで,角度変数からなる時系列データのノイズ除去を行った先行研究 (Traa and Smaragdis, 2013) が組み上げたフィルタアルゴリズムを,不連続遷移も含めた脳波解析原理の枠組み (本研究分担者等, Naruse et al., 2013, が確立させていたもの) を応用して位相アンラップの推定モデルに組み直した.模擬的な1次元測距データを位相の主値域内に包めノイズを加えた時系列から推定した結果,既存の位相アンラップ手法 (Itoh, 1982) では出来なかったノイズリダクションを行ないながらの位相アンラップに成功した. また,実測データの取得を目指し,920MHz 無線通信ネットワークによる測位システム及び精度検証のためにレーザー測距機能を有するトータルステーションから成る屋内測位試験システムを組み,まずは計測が正しく行うことができることを確かめた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
模擬的なデータではあるが推定に成功したため,遅滞なく学術論文にまとめ初年度のうちに採択・発行されたため.
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今後の研究の推進方策 |
初年度に組み上げた推定モデルでは移動物体の移動過程をブラウン運動を仮定するという強い制限が課せられていた.この仮定を緩和し,様々な移動・運動に対応することのできる推定モデルに改良する予定である.そして,実測データでの推定も試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
高速計算を行う装置を導入する予定であったが,既存の計算機能力でも第一段階の学術論文を仕上げることができ,論文投稿及び出版を優先したため,計算装置の導入を次年度以降に見送った.
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