研究課題/領域番号 |
17K00363
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田崎 勇一 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10547433)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 移動ロボット / 地図生成 / 自己位置推定 |
研究実績の概要 |
当該年度においては,昨年度において考案し,基礎的な解析を行った近接点と呼ぶ特徴点を利用し,近接点を含むポーズグラフ状の地図の生成および自己位置推定法の開発を進めた.三次元測域センサから得られる点群データから直接的に点群地図を作成するとデータ量が膨大となってしまうが,これに対して近接点のみを含む近接点地図ならば特徴的な情報を残しつつ大幅にデータ量を削減でき,より広域の地図を低データサイズで作成できる可能性がある.また,近接点地図とパーティクルフィルタを用いた自己位置推定法を考案した.測域センサから検出された近接点と地図中に埋め込まれた近接点とを照合することで各自己位置候補点の尤度を求め,粒子分布を絞り込むことによって自己位置を推定する仕組みであり,小さな計算コストで制御ループに組み込めることを確認した. 上述の手法の評価を行うために,「つくばチャレンジ」に参加する形でつくば市における屋外走行実験を実施した.ロボットによる自律的な地図生成は未開発であるため,手動操縦により市街地の所定のコースに沿ったデータ計測を行い,収集したデータから近接点地図を作成した.また,作成した地図と自己位置推定法により,期待した程度の成功率で規定コースから逸脱せずに自律走行が可能であることを確認した.視認物体の少ないひらけた領域において自己位置を見失うリスクが大きいことが課題として認識された. また,将来の屋外活動可能な移動ロボットの一形態として,自律二足歩行ロボットに関する研究も進めた.基礎的な転倒回避制御に関する解析およびシミュレーション実験を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度から引き続き,近接点を利用した自己位置推定法や地図生成に関する研究を進めた.基礎的な形は明らかとなったが,実用的な性能向上にはいくつか課題が残った.また,屋外移動体としての二足歩行ロボットに関する研究を並行して進めた.対外発表件数としては,国内会議発表3件,国際会議発表1件と期待よりも少ない結果となった.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,より大規模な環境の地図生成を目指し,複数の走行データを一つの地図へ統合する方法を検討する.また,自律的な地図生成や自動経路生成,地図からのアーティファクト(移動物体など)除去などに関する研究を進める.また,当初計画した地図の多解像度化もあわせて模索する.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額と翌年度請求分の合計額を最終年度における実験の実施および成果発表にかかる旅費などにあてる計画である.
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