研究課題/領域番号 |
17K00366
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研究機関 | 産業技術大学院大学 |
研究代表者 |
成田 雅彦 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (30513717)
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研究分担者 |
松日楽 信人 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20393902)
加藤 由花 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (70345429)
土屋 陽介 産業技術大学院大学, その他の研究科, 客員研究員 (90447037)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | クラウドロボティクス / ロボットサービス / 知能ロボット / ソフトウエアプラットフォーム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,ロボットデ人間的データを効率よく収集/集積し,各種クラウドサービスや 人工知能技術と連携してデータを分析し,そのデータ活用とサービス提供プロセスへフィードバックする仕組みを明らかにすることである.
研究を3つの研究単位に分け実績を述べる. - 研究単位1(ロボットによる人間的データの取得,及びセンシング手法の高度化):本研究(29年度)では,複数種のロボットの連携運用のためのモニタリングシステムを開発し,ビッグサイトで開催された国際ロボット展2017にて6ブース8台の異機種のロボット(コミュニケーションロボット,子育て支援ロボット,調理用音声アシスタントロボットなど)の連携運用を目指すモニタリングシステムの基礎実験を実施した.関連してプレス発表を行った. - 研究単位2(分析手法の高度化)では,蓄積した人間的データ,及びセンシングデータをもとに,次の会話やフィードバックの動的な生成の手法を明らかにする.本研究(29年度)は,会話やフィードバックのルールをXMLで記載することでプログラムから切り離し,また,収集すべき人間的データを動的に選択・変更する仕組みを組み込んだシステムを新たに開発し,上記の国際ロボット展2017,国際学会(EAIS2017)での2回の実証実験を行った.これらを通し,業務と一般的な情報収集とを分離する可能性を模索した. - 研究単位3(データ解析結果のサービス提供プロセスへのフィードバック手法の研究開発)では,開発済みの,イベント・観光地向けのパネルディスプレイベースのサイネージロボットに加え,身体性のある,人形浄瑠璃を参考にして「かしらロボ」と,家庭内でのデータ収集のために,調理用音声アシスタントロボットを開発した.これらは,前述のモニタリングシステムへの統合を試み,データ解析結果のサービス提供プロセスへのフィードバックの基礎実験を行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に問題は生じていない.
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今後の研究の推進方策 |
研究を3つの研究単位に分け研究の推進方策を述べる. - 研究単位1(ロボットによる人間的データの取得,及びセンシング手法の高度化): 30年度では,開発した複数種のロボットの連携運用のためのモニタリングシステムを拡張しつつ連携可能なプロトコルやサービスのレパートリーを増やす.これを通して,インタフェースの設計,課題の収集と解決を行なっていく. - 研究単位2(分析手法の高度化)では,29年度に行った,次の会話やフィードバックの動的な生成のシステム構築と実証実験の結果をもとに,より生成ルールを記載しやすい形にあらため,業務に依存した情報・生成ルールと一般的な情報収集ルールを動的に分離する仕組みをシステム化し,有効性を検証する.生成ルールに関しては各種のロボットの仕草に関連する情報の記載の手法やロボットとの連携の手法を研究する.可能であれば,コンセプトとして提案を試みる. - 研究単位3(データ解析結果のサービス提供プロセスへのフィードバック手法の研究開発)では,29年度に開発した,身体性のある,「かしらロボ」に手・腕を付加することでより表現力を向上させる.これを用いて,ロボットによる音声発話,動作,顔表情のインタラクションだけでなく仕草を伴ったフィードバックループを高度化する.同時に,センサーとの連携を試み,人間的データ収集の質の向上などへの効果を検証する.
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次年度使用額が生じた理由 |
29年度は、実証のためのソフトウエアの新規開発と成果発表のための旅費が当初の予想より増加した。このために、物品費と人件費を抑制したために、5%程度の次年度使用額が生じた。 これらは、次年度予定している実証実験の活用する予定である。
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