研究課題/領域番号 |
17K00384
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
間所 洋和 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (10373218)
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研究分担者 |
下井 信浩 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (10300542)
佐藤 和人 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (80390904)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 適応共鳴理論 / 自己組織化マップ / エピソード記憶 / パートナロボット / カテゴリマップ / 表情空間 / 分類粒度制御 / ビジランスパラメータ |
研究実績の概要 |
本研究では,表情から推察される情動の程度に応じたエピソードを,階層的に可視化表現するための新しい学習記憶方式の提案を目的としている.研究初年度となる平成29年度は,エピソード記憶を自己生成するための表情空間マップとコンテクストマップを構築し,シミュレーションを通じて両マップの動作を支配するパラメータについて評価した.特に,ARTの分類粒度を制御するビジランスパラメータは,記憶の粒度に直結するため,カテゴリマップの写像結果から再帰的に評価した.また,フィールドテストに向けて,パートナロボットのプロトタイプを設計した.主な実績を以下に列挙する. ・表情の動的多様性を定量的に捉えるマップとして,表情変化から満足度や疲労感などの表出頻度の高い表情をカテゴリ化し,その関係性を可視化するための2次元マップを構築した. ・表情空間マップで推定される感情を意味情報として,利用者が日常生活で接する場面やシーンを大局的に記述し,利用者の興味や要求を満たす情報を可視化するとともに,関連する情報への手がかりを与えるための2次元マップを構築した. ・Gabor Waveletsによる方位選択特性を利用して,入力の位相変化や時系列情報に対するARTの分類粒度を評価した.また,冗長なカテゴリの発生を抑えつつ,表情変化を最小のカテゴリ数で抽出できるビジランスパラメータを探索した. ・パートナロボットの外観,機構,及びフレームを,3D-CADを用いてモジュール単位に設計した.一般家庭において最も普及している掃除ロボットの開発キットを移動機構として,その上部に親和性に配慮したロボットを配置した.感覚機能としては,視覚センサとしてカメラを2台搭載するとともに,頭部に感圧式のタッチセンサを配置した.加えて,サーボモータにより耳を可動させ,感情の発露を表現する機構を実装した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の研究実績の概要に記した通り,研究計画に沿っておおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
2年目となる平成30年度も研究計画に沿って進める予定である.今のところ,研究計画を変更する予定はなく,研究を遂行する上での課題も現状は発生していないが,もしその事態に遭遇した場合は,応募時の調書に記した「研究が当初計画通りに進まない時に対応策」に沿って対応を打つ予定である.
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