研究課題/領域番号 |
17K00391
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
増田 修 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (90775967)
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研究分担者 |
内川 惠二 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00158776)
古川 貴雄 共立女子大学, 家政学部, 教授 (70262699)
長谷川 誠 東京電機大学, 工学部, 教授 (80303171)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 質感知覚 |
研究実績の概要 |
同じ額面の商品券を数種類入手し、これらの中から偽造防止技術の水準が段階的に異なるものを5種類選んで実験刺激とした。二つの装置を作成した。一つは、上に載せた試料を電動ゴニオメータで左右に傾けることができる自動式のもので、もう一つは、被験者自身が自らの手で試料を傾ける手動式のものである。可動域は、どちらの装置も左右方向に±7.5°である。自動式では、片道で5.8秒かけて左右に2回試料台が傾けられる。手動式では、制御用 PC から発せられる音を手がかりとして自動式と同じ時間を掛けて、被験者自身が試料台を自動式と同様に2回傾ける。1試行においては、5種類の試料のうちから2種類がランダムな順序で選ばれ、この2種の試料が上下に並べられている。被験者はこの上下2種類の内、「どちらがより本物らしく見えるか」を一対比較法で応答した。1セッションでは全ての試料の組合せとその上下を入れ替えた組合せで合計20試行を行った。被験者は平均年齢19.5歳のナイーブな大学生24名である。半数の被験者は自動式を先に行い、手動式を後に行った。もう半数の被験者は手動式を先に行い、自動式を後に行った。 一対比較の結果から被験者が感じた「本物らしさ」の尺度を構成したところ、手動条件では各試料間の「本物らしさ」の差が全て統計的に有意であったのに対して、自動条件では感じられる「本物らしさ」の上位2つの間に有意差が見られず、また下位2つの間にも有意差が見られなかった。この結果から、単に受動的に試料を観察するだけでは試料間の「本物らしさ」の差を十分に感じることができない一方で、自分自身の手で試料を傾けることにより、より明確に試料間の「本物らしさ」の差が感じられるようになる、と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大に伴い被験者の確保が困難なため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染の収束を待って、再び被験者を募集し、実験を再開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
装置の不具合や、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、研究期間を1年間延長したため。新型コロナウイルス感染収束を待って、実験を再開する。
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