研究実績の概要 |
おおむね順調に研究が進展しているものと認識している。 (1) 計画していたエンハンサーの文献情報収集とデータベース化に関しては、外国などで関連するデータベースが発表されてきている現状に鑑みて、とりあえずホヤのエンハンサーに絞ってデータを収集中である。 (2) ゲノム上のエンハンサーの位置を、その塩基配列の特徴から予測するアルゴリズムを、とりあえず発表論文に使われたデータを使って開発し、論文で報告されているよりも高い予測精度が得られた(Wei & Nakai, 投稿準備中)。ただし、実際にどのような特徴をとらえているのかや、アルゴリズムの他のデータへの適用性などに関しては、まだまだ研究する必要があると認識している。 (3) 細胞種によるTADなdのクロマチン構造のち外が、細胞種特異的遺伝子発現の違いをどの程度説明できるかを調べるために、複数のHi-Cデータを比較して、そのような傾向を確認した(Luis A. E. Nagai, Sung-Joon Park, and Kenta Nakai. Analyzing the 3D chromatin organization coordinating with gene expression regulation in B-cell lymphoma. BMC Medical Genomics, 11(Suppl 7), 127 (2019))。ただし、この研究も実験条件の違いや再現性などをより詳細に詰める必要があり、最終年度の研究につなげたいと考えている、 これら3つのアプローチで研究を進めており、最終年度にはできるだけこれらをまとめる方向で努力していきたい。
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