診断支援用AI研究は、診断アルゴリズムの研究開発を中心に発展してきた。しかしながら、診断支援システムの臨床における有用性には、高性能な診断アルゴリズムだけでなく、ユーザーからの患者情報の入力から診断結果の提示に至るまで、さまざまな要素が関わる。効果的な診断支援を実現するには、その各構成要素についての検討に加えて、高品質なユーザーインターフェースとして統合することが不可欠と考えられる。そこで本研究は、従来の診断AI研究に欠如していた、診断支援システムにおけるユーザーインターフェースについて、入出力の高品質化と診断性能の向上をもたらす統合的なユーザーインターフェースの探索的な検討を行うことを目的として開始した。 我々の研究成果により、医師それぞれの知識において欠けている箇所を補うように機能する、医師と補完的な役割を担う医療用人工知能の研究開発が実現する。また、患者情報の入力に際した非効率は、この分野において30年以上も指摘されている問題であり、自然言語処理による解決に向けた貢献を果たすことができた。さらに、診断結果の出力と再計算においても、効率的な手法を提案することができた。
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