研究課題/領域番号 |
17K00426
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
井上 学 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (60439362)
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研究分担者 |
豊田 一則 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (50275450)
古賀 政利 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (30512230)
山上 宏 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (00455552)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | CT / 灌流画像 / 再灌流療法 / 急性期脳梗塞 |
研究実績の概要 |
当初の計画に沿って順調に研究を進めており,当施設では経静脈的血栓溶解療法は年間106例あり,血栓回収療法は年間70例あった.現在,CT造影灌流画像を撮影して再灌流療法の実施の有無/予後を検討した症例が27例集まっている. 2018年1月にアメリカで開催された国際脳卒中学会の基調講演で,CT造影灌流画像を使用し24時間までの再灌流療法を安全に施行しえた研究発表(DEFUSE3)があった.この研究では灌流画像の解析判定に当研究でも使用しているRAPIDソフトウエアを使用しており,その有用性と安全性も同時に報告された.またこの発表に伴いアメリカ脳卒中ガイドラインも急性期脳梗塞治療で発症時間から24時間までの症例に対して造影灌流画像の使用を推奨する改定がなされた.このDEFUSE 3の研究結果とがアメリカ脳卒中ガイドラインの改定は本研究を支持するものであり,急性期脳梗塞は従来の時間枠での治療(time based)ではなく,灌流異常での治療枠(tissue based)へとシフトしつつあることを実感する.灌流異常を判定するにはソフトウエアが重要であり,アメリカ脳卒中ガイドラインに記載されたRAPIDソフトウエアを日本で唯一導入している本研究は今後も重要な位置を占めると思われる.いずれ日本でも脳卒中治療ガイドラインの改定があると思われ,その際に本研究が日本人の急性期脳梗塞の再灌流療法の灌流画像評価研究のデータとして与えるインパクトは大きく,現状の進捗で問題はないと思われる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当施設では経静脈的血栓溶解療法は年間106例あり,血栓回収療法は年間70例あった.そのうち灌流画像が必要とされる症例は約1/4の15-25例と想定したところ,27例とほぼ想定通りの症例数が集まっており,これに伴い解析も順調に経過している.
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今後の研究の推進方策 |
さらなる症例の収集を進め,現在集まっている症例の3ヶ月予後に加え,1年後予後も評価の対象として,慎重に解析作業を進めていく.随時,国際学会での発表を始めて行き,論文の概要を計画し始めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 症例登録の継続と国内/海外学会での発表/論文機会の検討 (使用計画) 引き続き症例登録が必要であり,さらなるデータ蓄積のため,研究を継続する必要があり,昨年度は研究の準備/登録を開始したために成果を発表する機会がなく情報収集に努めたため,学会や会議参加のための旅費としてしか使用していない。
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