研究課題/領域番号 |
17K00426
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
井上 学 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (60439362)
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研究分担者 |
豊田 一則 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 副院長 (50275450)
古賀 政利 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (30512230)
山上 宏 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (00455552)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | CT / 灌流画像 / 再灌流療法 / 急性期脳梗塞 |
研究実績の概要 |
当初の計画に沿って2年目も順調に研究が進んでいる.当施設では年間脳梗塞症例が700例あり,そのうち経静脈的血栓溶解療法は年間118例あり,血栓回収療法は年間89例あった.現在,CT造影灌流画像を撮影した症例が72例集まっており,血栓回収術の適応に検討された.2019年1月にアメリカで開催された国際脳卒中学会の基調講演で,MR/CT造影灌流画像を使用し9時間までの経静脈的血栓溶解療法を安全に施行しえた研究発表(EXTEND)があった.この研究では灌流画像の解析判定に当研究でも使用しているRAPIDソフトウエアを使用しており,その有用性と安全性も同時に報告された.この発表と合わせると2018年のアメリカ脳卒中ガイドラインで血栓回収術の適応時間が24時間まで拡大されたのに対し,経静脈的血栓溶解療法は4.5時間までだったため,今回9時間まで有効だというエビデンスが発表されたため,経静脈的血栓溶解療法と血栓回収術のギャップが埋まりつつあることになった. また本研究では造影剤を使用するにあたり,心不全患者における心拍出量の低下に伴う造影効果の減弱も問題となった症例があった.この解決手法を探る撮影方法をまとめた研究報告を韓国で行われたAOCN2018(第16回アジアオセアニア神経学会議)にて発表した. 灌流異常を判定するにはソフトウエアが重要であり,このソフトウエアを日本で唯一導入している本研究は国内研究をリードする上でも今後も重要な位置を占めると思われる.本研究が日本人の急性期脳梗塞の再灌流療法の灌流画像評価研究のデータとして与えるインパクトは大きく,現状の進捗で問題はないと思われる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当施設では経静脈的血栓溶解療法は年間118例あり,血栓回収療法は年間89例あった.灌流画像の撮影が72症例あり,当初の予定よりも灌流画像の撮影が多く,必要性が高まっていると予想される.解析は順調に経過しており,予定以上の症例数が集まっている.
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今後の研究の推進方策 |
さらなる症例の収集を進め,現在集まっている症例の3ヶ月予後に加え,1年後予後も評価の対象として,慎重に解析作業を進めていく.随時,国際学会での発表を始めて行き,論文化に向けてデータの整理を始めていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
引き続き症例登録が必要であり,さらなるデータ蓄積のため,研究を継続する必要があり,研究の成果を随時発表する機会があるため,学会や会議参加のための旅費や論文発表に伴う費用などへの使用が予想される.
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