研究課題/領域番号 |
17K00428
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
吉田 大介 大阪市立大学, 大学院創造都市研究科, 准教授 (00555344)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 全地球航法衛星システム(GNSS) / 低コスト機器 / オープンソース / Webサービス / クラウドコンピューティング |
研究実績の概要 |
本研究では,高精度の観測データが求められるモニタリングシステム向けに,低コスト機器とオープンソース測位処理ソフトウェアを改良し,時空間データの可視化がおこなえるWebシステムの開発を進めている.2017年度の実績として, (1)本研究で開発をおこなう低コストGNSS受信機の精度を検証するために,2周波型GNSS受信機を購入し,研究室のある建屋屋上に設置,長期間のデータ観測を開始した.また,観測したデータを定期的に外部記憶装置に保存するプログラムも開発し,機器の故障等の不測の事態でも,データを失わないよう対策を講じた. (2)低コストGNSS受信機を動作させる低コストプロトタイプ基盤としてRaspberry Pi 3 Bを検討している.Raspberry Piで動作するGNSSのロギングプログラムの調整や,Wi-Fi/4G等の無線ネットワーク通信について動作検証等をおこなった. (3)効率的な開発環境を構築するために,コンテナ型仮想化基盤ソフトウエアDockerを用いて,開発用基盤を整えた.これにより,様々な世代の仮想イメージを管理することができること,また,容易に他の物理マシンに実装が可能となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に計画していた内容として,低コストGNSS受信機の観測データを記録するプロトタイプの開発と,クラウド基盤の構築があげられる.低コストプロトタイプと2周波型GNSS受信機についての精度比較検証まではおこなえなかったが,初年度でデータ観測のための環境をほぼ構築することができた.2周波型GNSS受信機の観測データに関しては,共同研究を進めている民間企業の協力により,商用のモニタリングシステムに接続し,観測データを蓄積するよう設定をおこなった.時空間データの可視化をおこなうWebシステム(次年度以降に構築予定)を開発・運用するためのクラウド基盤ついては計画通りに構築や検証が進んでいる.以上を考えると、計画はおおむね順調に進んでいると考える.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,蓄積した観測データを可視化するためのWebシステムの開発に取りかかる.これには,時空間データの可視化がおこなえるオープンソースライブラリCesiumの活用を検討している.最新の情報や活用事例を入手できるよう関連学会に積極的に参加し,関連技術者と情報交換をする. また,初年度におこなえなかった観測データの精度比較検証をおこない,開発したプロトタイプの性能を検証する.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会に参加できなかったため,その出張費とデータ整理のための人件費分が次年度に繰り越しとなった.次年度の研究費は,低コストプロトタイプや時空間データの可視化システムの開発に必要な物品や消耗品,そして,関連学会に参加するための出張費用に使用する予定である.
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