研究課題/領域番号 |
17K00429
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
湯本 高行 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (20453152)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 情報信頼性 / ウェブインテリジェンス |
研究実績の概要 |
(1) 2017年度に開発した,語の間の典型性の推定手法は自己相互情報量を用いていたが,その計算に用いる語の共起確率では共起数よりも各語の頻度の大小が支配的であり,関係の強さを適切に表現できない場合があることがわかった.そのため,語の頻度から語の共起確率を予測するモデルを構築し,その予測値と実測値とのずれによって典型性を推定する手法を開発した.評価ではクラウドソーシングで語の組合せの典型性を複数の被験者に判定させた結果との相関係数を用いた.その結果,開発した手法は,従来手法に比べて相関係数が有意に高くなった.また,語の間の典型性に基づいて文の典型性を推定する手法を開発した. (2) 2017年度に開発した文体分類器について改良を行った.具体的には文体ごとの辞書に収録する基準となる出現回数や頻度を学習する機構を採用した.その結果,いずれの文体についても適合率,再現率とも85%以上になり,単純なルールベースの手法に比べて,有意に高い性能となった. (3) 文の役割の推定については,自動ラベルづけによって学習データを漸増させることで推定精度を向上させることを目指して研究を行っている.また,文の役割推定の応用としてQAサイトから病気の症状について書かれた部分を抽出する手法を開発した.この手法では,病名に関する辞書データと表現に関するルールを用いて絞り込みを行い,その後,係り受け解析を用いて症状について書かれた部分の抽出を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文の典型性の推定について予定どおり開発を行っている.一方,文の役割推定については2018年度内に完了する予定であったが,さらなる精度の向上が必要であり,引き続き,改良を行う.
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今後の研究の推進方策 |
文の典型性の推定および文の役割の推定手法について引き続き,改良を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
文の役割推定についてさらなる改良が必要と判断し,評価実験を延期したため,次年度使用額が発生した.次年度使用額は文の役割推定の評価実験に使用する.
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