研究課題/領域番号 |
17K00432
|
研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
河野 浩之 南山大学, 理工学部, 教授 (70224813)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | プライバシー保護データマイニング / 位置情報サービス / コンテキストベースサービス / データセキュリティ / 交通データウェアハウス / ビッグデータ |
研究実績の概要 |
位置情報サービスの普及に伴い,各種デバイスにセンサーを搭載することで,より正確かつ詳細な「位置情報・環境情報・操作行動履歴・プロファイル等」のデータに基づくコンテキストベースの情報サービスが可能になりつつある.本研究では,プライバシー保護データマイニング(Privacy Preserving Data Mining)技術を用いて,位置情報サービスプロバイダにおけるデータセキュリティを担保した上で,より高精度なコンテキストベースサービスを提供するデータマイニングアルゴリズムの研究を行っている. 第三年度は,分散データベース環境におけるプライバシー保護アルゴリズムの特性に関する研究調査を進めた.研究では,Data Privacy, Data Security, Data Mining Privacyの観点から,各種クラウド構成に対するセキュリティ,データ分割手法による複合的な演算処理を含むアルゴリズムとなる情報プライバシー保護データマイニングの研究調査を進めている.また,システム構成に関して,Centric Data Mining, Distributed Data Mining, Partitional Data Miningを考え,特に,クラウド構成ではなく,分散DB構成の場合のシステム特性に関して分析を行った. なお,提案アルゴリズムは,経路探索・推薦システムに応用可能であり,ソーシャルフィルタリングを用いることで,より的確な経路探索や経路推薦を実現できるアルゴリズムとなると考えている.また,プライバシー保護データマイニングアルゴリズムの実験環境の構築に取り組みつつある.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度はデータ処理環境の再構築を行なった.二年度の途中で,クライアント側の機器故障が発生し,修復が不可能となった.そのため,新たな機器導入と環境修復を行う作業が発生した. 引き続き,実験環境構築にかかる,データ処理環境の導入に遅れがある.また,実験環境構築にかかる機器発注において,パンデミックの影響があり乱れが生じた.過年度の遅れを取り戻すため,いくつかの作業のピッチを上げているが,当初予定した作業進行予定を取り戻すまでに至らなかった.
|
今後の研究の推進方策 |
初年度に予定した機器購入予算額相当を,最終年度予算として持ち越すことになった.第三年度は,分散データベース環境におけるコンテキストベース位置情報サービスに必要なプライバシー保護データマイニング(Privacy Preserving Data Mining)アルゴリズムの調査研究を進め,研究成果を発表した. 最終年度は,分散環境下におけるプライバシー保護データマイニングのプロトタイプ実装に着手するため,早急にデータ処理環境の発注を行い,システム構築を進める予定である.また,最終年度中に,提案アルゴリズムとして実装し,その検証と性能評価に関する研究成果として総括する予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
第三年度後半の機器導入が流通の関係により円滑に進まなかったため,最終年度開始時に速やかな執行を予定している.
|