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2017 年度 実施状況報告書

協調・競合構造を考慮したアテンションダイナミクスの数理モデリング

研究課題

研究課題/領域番号 17K00433
研究機関龍谷大学

研究代表者

木村 昌弘  龍谷大学, 理工学部, 教授 (10396153)

研究分担者 大原 剛三  青山学院大学, 理工学部, 教授 (30294127)
斉藤 和巳  静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (80379544)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード確率過程モデル / 統計的機械学習 / データマイニング / ソーシャルメディア分析 / 複雑ネットワーク
研究実績の概要

1.対象とするソーシャルメディアのアイテム群全体に対するアテンション到着過程の確率的生成モデルとして,ディリクレ過程とRPP モデルを融合したDPM-RPP モデルを提案した.また,観測データに基づくDPM-RPP モデルの効率的な学習法を与え,それに基づいて,各アイテムが将来に獲得するポピュラリティの予測法および,エイジングタイプの観点からのアイテム群のコミュニティ抽出法を与えた.そして,料理レシピ共有サイト「クックパッド」におけるレシピへのアテンション到着過程の実データを用いて提案モデルの有効性を実証した.

2.ソーシャルメディアにおける共有イベント系列に基づいてオンラインアイテム群の協調構造を抽出する新たな確率過程モデルとして,CHP モデルを提案した.CHP モデルは,Hawkes 過程にディリクレ過程を組み込むことにより構築され,アイテムに対する共有イベントの時系列を生成する.観測系列データからCHP モデルを推定する効率的なベイズ学習法を開発し,CHP モデルの下で将来の共有イベントを予測する有効な枠組みを与えた.クックパッドデータを用いた実験により,共有イベント予測におけるCHPモデルの有効性を実証するとともに,レシピ群の協調構造を明らかにした.

3.レシピ内でいっしょに使われる食材ペアの時季による動的変化を分析することを目指して,食材ペアの共起アクティビティ変化パターンを検出する有効な手法を提案した.そして,検出したアクティビティ変化パターンに基づき,各時間ステップにおいて食材集合のアクティブネットワークを構築し,食材の主要アクティブ共起パターンを抽出した.クックパッドデータを用いた実験により,提案法の有効性を実証するとともに,日本の料理レシピで使われる食材の組み合わせに関する季節変化の特徴を明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ソーシャルメディアのオンラインアイテム群に対するアテンションダイナミクスの数理モデリングとして,ディリクレ過程とRPP モデルを融合したDPM-RPP モデルを提案し,その有効性を料理レシピ共有サイトの実データにより示した.また,共有イベント系列に基づいてオンラインアイテム群の協調構造を抽出する確率過程モデルとして,Hawkes 過程にディリクレ過程を組み込んだCHP モデルを提案し,共有イベント予測性能における有効性を示すとともに,レシピ群の協調構造を明らかにした.さらに,レシピ共有サイトにおいて食材ペアの共起アクティビティ変化パターンを検出する有効な手法を提案し.食材ペアのアテンションダイナミクスを分析した.そして,これらの研究成果を2件の国際会議論文と1件のジャーナル論文として発表した.

今後の研究の推進方策

平成29年度に引き続き,さらなるソーシャルメディアの実データの収集と分析を行い,それに基づいて数理モデルの改良とモデルパラメータ学習法の改良を行う.特に,実空間での人々の行動情報をも含むソーシャルメディアデータを収集し,そのような時空間情報をも扱えるようにアテンションダイナミクスの数理モデルとその学習法を改良することを目指す.また,構築したモデルの挙動を数理的に解析するとともに,それに基づいてソーシャルメディアデータに対し,異常検出や知識発見など各種応用の提案を行う.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由: 平成29年度は,研究の遂行を優先し,研究発表に関してはその一部を次年度にまわすようにしたため,国際会議や国内研究会への出張旅費および,それらへの参加費に対する費用が少なくなったため.

使用計画: 研究成果を国内の研究会,国際会議および論文誌で発表するための費用として使用する.また,ソーシャルメディアの新たな実データの収集・分析のための費用として使用する.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] ソーシャルメディアのアイテム群に対するアテンションダイナミクスの学習2017

    • 著者名/発表者名
      松谷貫司, 木村昌弘
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」

      巻: 10 ページ: 14-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analyzing dynamical activities of co-occurrence patterns for cooking ingredients2017

    • 著者名/発表者名
      Yuuki Kikuchi, Masahito Kumano, and Masahiro Kimura
    • 雑誌名

      Proceedings of 2017 IEEE International Conference on Data Mining Workshops (ICDMW 2017)

      巻: 17 ページ: 17-24

    • DOI

      10.1109/ICDMW.2017.10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Discovering cooperative structure among online items for attention dynamics2017

    • 著者名/発表者名
      Kanji Matsutani, Masahito Kumano, Masahiro Kimura, Kazumi Saito, Kouzou Ohara, and Hiroshi Motoda
    • 雑誌名

      Proceedings of 2017 IEEE International Conference on Data Mining Workshops (ICDMW 2017)

      巻: 17 ページ: 1033-1041

    • DOI

      0.1109/ICDMW.2017.146

    • 査読あり
  • [学会発表] Analyzing dynamical activities of co-occurrence patterns for cooking ingredients2017

    • 著者名/発表者名
      Yuuki Kikuchi, Masahito Kumano, and Masahiro Kimura
    • 学会等名
      2017 IEEE International Conference on Data Mining Workshops (Data Science and Big Data Analytics)
    • 国際学会
  • [学会発表] Discovering cooperative structure among online items for attention dynamics2017

    • 著者名/発表者名
      Kanji Matsutani, Masahito Kumano, Masahiro Kimura, Kazumi Saito, Kouzou Ohara, and Hiroshi Motoda
    • 学会等名
      2017 IEEE International Conference on Data Mining Workshops (Data science for human performance in social networks)
    • 国際学会
  • [学会発表] 料理レシピ共有サイトにおける食材の旬の利用パターンの抽出2017

    • 著者名/発表者名
      菊地悠樹,熊野雅仁,木村昌弘
    • 学会等名
      情報処理学会第116回数理モデル化と問題解決(MPS)研究発表会
  • [学会発表] アテンションダイナミクスに基づいたオンラインアイテム群の協調構造の抽出2017

    • 著者名/発表者名
      松谷貫司,熊野雅仁,木村昌弘,斉藤和己,大原剛三,元田浩
    • 学会等名
      ARG第11回Webインテリジェンスとインタラクション(WI2)研究会

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公開日: 2018-12-17  

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