研究実績の概要 |
1.横浜南共済病院の協力を得て行ってきた同病院における週間手術予定表作成の自動化に向けての研究は、外科手術での試みに関する北川郁代看護師長との第41回日本手術医学総会での共同発表をもって完了した。 2.急性期病院における入院患者の流れのシステム工学的モデル化について、筑波大学附属病院における2010~11年度の新生児患者1,132人の入院から退院まで、NICU、GCU棟、一般病棟間を移動する流れから生じる各病棟の病床利用数の分布を、待ち行列理論とMarkov連鎖を用いて説明することができた。この結果は、日本オペレーションズ・リサーチ学会2019年秋季研究発表会とサービス学会第8回国内大会で発表するとともに、海外のHealth Care Management Science誌に投稿した。 3.多期間にわたるホテルの宿泊予約等で、需要を予測して期待収益を最大化するために採用されているレベニューマネジメントについて、現在の理論モデルでは、早期に安い価格で予約できなかった顧客の一部が後で高い価格で予約を試みるという現実によくあるバイアップ行動が厳密に考慮されていない。その理由は、計算を簡単にするBellmanの最適性原理が適用できないからである。本研究では、この問題を厳密に定式化し、3期間のモデルについて最適ブッキングリミットを計算する連立方程式を導き、厳密解が可能であることを示した。この結果は、数理解析研究所の研究集会とサービス学会第8回国内大会で発表するとともに、海外のTransportation Science誌に投稿した。
|