4年間の研究期間を通じて、長距離移動マタニティ(妊産婦)を起点とした在宅時・移動時の見守り支援アプリケーションまで開発が達成された。全国的な医療資源の集約によって長距離移動マタニティが非都市部に存在しており、大学の立地する釧路・根室地域を対象に研究開発を進めた。 2017年度からの2年間の研究は、在宅時のマタニティ支援アプリケーションの機能検証・改良のため、アプリダウンロードサイト(Tsunagu NEXT Project)からアプリを配布してアンケートを実施した。アプリケーションの各種機能は、マタニティを起点に配偶者(パートナー)・家族との体調データ・情報が共有可能である。医療者・妊産婦経験者を対象としてアプリの機能の使用感検証・アンケート調査を34名に実施した。回答結果は、5段階で平均4以上の評価であった。 2019年度からの2年間の研究は、移動時のマタニティ支援アプリケーションの機能検証・改良のため、アプリダウンロードサイト(マタニティ・ライフ Project)からアプリを配布してアンケートを実施した。アプリケーションの各種機能は、マタニティの通院(定期検診)・買い物など、移動時の見守りおよび破水の知識学習の支援機能を開発し検証した。移動時の異常データの検知導出は深層学習理論で判定する機能を開発した。異常が判定された場合は、マタニティのスマートフォン画面に安否確認を促し(アプリのポップアップが表示)、ポップアップに1分以内にタッチしなければ、あらかじめ登録しておいたマタニティ以外の配偶者(パートナー)・家族へ自動通知するように実装した。医療者・妊娠経験者を対象としてアプリの機能の使用感検証・アンケート調査を実施した。使用感検証でアプリのデバイス使用者30人、アンケート調査で44人に対して実施して、回答結果は5段階で平均4以上の評価が得られた。
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