研究課題/領域番号 |
17K00441
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
森田 裕之 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (80295732)
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研究分担者 |
白井 康之 大東文化大学, 経営学部, 准教授 (20597512)
後藤 裕介 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (40454037)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | データマイニング / BLEビーコン / 屋内位置検知 / POSデータ |
研究実績の概要 |
29年度は全体の研究計画のコアになる実店舗における同時複数の購買者の移動データと生体データを取得し、実際のPOSデータと統合することで統合化購買行動履歴データの基盤整備を完成することを目標に研究を推し進めた。研究実績としては、統合化購買行動履歴データの行動識別の精度を高める研究として、また次年度以降につながるためのデータ分析のための手法の研究として、国内学会の全国大会(経営情報学会2017年秋季全国研究発表大会)で2件、国際会議(JAMS International Conference on Business & Information 2017, October 28-30, 2017, Seijoh University, Aichi, Japan)で1件の研究発表を行った。国内学会の1件については、購買行動履歴データの行動の店舗内位置特定に関する内容であり、残りの2件については、統合化購買行動履歴データの利用を視野に入れた基礎的分析アルゴリズムに関する内容であり、発表をい通じて行ったディスカッションから、さらに研究内容を前進させることができ、次の研究発表に向けて準備を行うことができた。 データの収集や分析技法の開発に加えて、より実際的な研究を行うため、株式会社トライアルホールディングスと秘密保持契約を結んで、実際の小売店舗で取得している統合化購買行動履歴データをご提供いただく準備を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
29年度は、研究発表を国内の全国大会で2件、また国際会議において1件、実施することができ、そこから得られたコメントなどから、さらに研究内容を前進させることができ、IoT機器から自らデータを取得して、屋内動体位置検知を行うアルゴリズムをリファインすることができたとともに、その次につながるアルゴリズム開発の基礎的な研究を前進させることができた。 また、これらの研究活動などを通じて、株式会社トライアルホールディングスの役員の西川氏とコネクションを持つことに成功した。この企業は日本では唯一、また海外でも例が少ない、店舗内での屋内行動履歴ログの取得を行っている企業であり、そのデータを提供していただく準備ができたことは、研究内容を前進させるうえで、とても大きな成果であると思っている。次年度には実際にデータを提供いただく予定であり、それを使ってさらに研究内容を進めていく予定である。 以上より、研究実績も予定通り示すことができ、またデータについても当初の予定通り準備に成功することができたので、おおむね順調に進展しているものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に従って、29年度に取得されたデータを元に,2次元位置推定の精度を高めるアルゴリズムの開発を推し進めていく。これにより、できるだけ正確に店舗内での巡回位置を特定することが可能となり、顧客IDをキーとしてPOSデータと連動することにより、統合化購買行動履歴データとして完成する予定である。またデータを提供いただけることになっているが、当該企業においても、まだ正確な位置検知には成功していない。このデータを取り扱いながら、これまでの研究成果で得た知見を活かしながら、予定通り進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
1件発表した国際会議が日本で開催されたものであったので、その分の海外旅費が浮き、もう1件の発表を追加で予定したが、その会議の日程が年度を越えるものであったため、次年度の支出とする必要があったため。
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