新規に印字された点字を検出・識別するシステムに関する研究はあるが、経年劣化した点字、両面印刷された点字を対象にした研究事例は無い。そこに、この研究の独創性がある。 点字図書は印刷物の図書の点訳だけではない。電子データ化されず点字図書としてだけでしか存在しないものや印刷物の図書に対して、巻頭扉や巻末にオリジナルの文章を追加したものもある。また、点訳本であってでもオリジナルが失われたものもある。そのような点字図書が廃棄されると、その内容も失われてしまう。機械可読電子データ化することで、内容を保全するだけでなく、その内容を健常者に周知することも可能になる。ここに、この研究の社会的意義がある。
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