研究課題/領域番号 |
17K00462
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
遠山 茂樹 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (40335914)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 防災準備 / 高知市 / パーソナル・ネットワーク / サンプリング / パネル調査 |
研究実績の概要 |
本研究はパネル調査を通じて経時的データを取得し、パネルデータ分析および社会ネットワーク分析により、地方都市住民の平常期における防災準備行動の変化と、その行動変化へ影響を与えている要因を(a)社会的属性、(b)地域情報行動、(c)地域活動状況、(d)防災に関するパーソナル・ネットワーク構造より明らかにすることを目的としていて、実施期間は5年間を予定している。 平成29年度は、本研究計画遂行のための準備期間と位置づけ、以下の8つの作業を行う予定であった。社会調査の準備作業としては、1)調査対象地域(高知市役所など)への協力依頼、2)社会調査補助員の募集・育成、3)質問票原案の作成、4)予備調査の実施、5)サンプル名簿作成(DB作成を含む)、6)社会実験的「介入」に関する調整、である。また、データ分析に向けた準備として、7)文献調査としてパネルデータの分析手法のレビューを開始し、科学計算向けワークステーション導入を含めた8)備品購入を行う、としていた。 社会調査準備作業の1)、2)、5)については計画通りに進めた。具体的には、高知市選挙管理委員会に対して選挙人名簿閲覧および転記の許可をもらい(1)、社会調査員2名(学部学生)とともに(2)、サンプリング作業を行い、1372名分の標本名簿を作成し、データベース化まで完了した(5)。3)質問票原案作成と4)予備調査実施については、質問票原案の作業(3)が遅れているため、予備調査の実施(4)に至っていない。6)社会実験的「介入」に関する調整についても、実施予定年度での調整のほうが現実的であると判断して、翌年度に繰り越した。データ分析に向けた準備作業である7)文献調査および8)備品購入については、ほぼ予定通りに進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画における項目3)質問票原案作成、4)予備調査、6)防災講演会の調整において遅延が見られる。3)質問票原案作成の遅れは、質問票におけるパーソナル・ネットワークに関連する質問内容(ネームジェネレーター法)、および、防災に関する質問項目について慎重に検討しているためである。3)については、翌年度当初に早急に質問票を作成し、速やかに4)を実行する計画である。 6)社会実験的「介入」に関する調整については防災講演会を予定しているが、依頼を検討している相手先組織の年度計画や人事等の動きを考慮して、実施計画年度に入ってから調整すべきと判断した。こちらも次年度当初より相手先の選定に入り、できるだけ早期に具体的計画を立案し、年度後半での実施につなげる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度計画において遅れが出た3)質問票作成と4)予備調査実施を平成30年度前半において速やかに取り組んでゆく。また、 6)防災講演会の準備も、早急に候補相手に打診し、実施計画を具体化してゆく。 2年目となる平成30年度は第1回目パネル調査のための、1)質問票の作成・印刷、2)質問票の発送・回収(郵送法)、3)回収データの入力・整理、4)横断的データ分析、を実施する計画である。なお、2)第1回調査実施は7月を予定で、5)防災講演会(第1回介入)を2月に開催する予定である。これらの実現に向けて尽力していく。
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