大学図書館アーキビスト、エドヴァルド・グルンブラードらの作業ノート及び作業報告の手紙でなどを活用し、フィンランドのアーカイブズ実務の特徴を明らかにしてきた。主要な成果として、一つは、1859年の資料集刊行の手続きの解明である。このプロトコールの内容は、行政文書のアクセス環境を整備することが政府支援のもとで行われてきたこと、閣議での審議の上、予算も精査されつつ、デンマークの印刷会社により刊行されたこと、これらのことを2019年度の論文で明確に示した。二つめに、グルンーブラードによる刊行成果が、トペリウスにより活用された状況を確認した。19世紀に、多くの知識人が公文書を積極的に利用した。
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