研究課題/領域番号 |
17K00491
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
酒井 雅裕 神奈川工科大学, 情報学部, 准教授 (20520323)
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研究分担者 |
宇土 昌志 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (10648588)
村上 雅俊 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 教授 (50442398)
三村 覚 大阪産業大学, スポーツ健康学部, 教授 (70529982)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 学習支援システム |
研究実績の概要 |
2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響による延長の2年目に入った。しかしながら実験の実施を期待した夏休みの感染状況の大きな改善は見られず,実験の被験者の取り組み方によっては10週間ほど必要なため,被験者の追加募集は見送った。 そこで本年度は20年度後期に実施した追加実験(第3期:感染防止・倫理等配慮済み)の2名の分析と,2020年度では三村ら(2021.3)で公表済みの介入を含んでの実験結果の再検討並びに,本研究で試作したe-learningシステムの利便性の向上に焦点を当てた。 追加実験の分析は「電子的な認知行動療法システムを用いたアスリートへの心理サポートの効果の一解釈について」(三村ら,2022.3)として公表している。具体的には承前の萌芽研究(25540166)でも成果とされた,K6尺度からうつ傾向が強いと推測される学生に関して,本研究のe-learningシステムを用いK6スケールが大きく改善したことが追認された。またTAIS(競技特性不安尺度)については,うつ傾向が強いと推測される学生は,競技不安も改善傾向を示したが,反面うつ傾向がない学生の競技不安は改善しなかった。これにより,このシステムがベースとする認知行動療法は,うつ傾向はないが,競技不安を持つアスリートの心の改善に寄与しない可能性が示唆されることになった。この知見には本研究において,今まで示されなかった新たな知見であるが,追加実験のサンプル数の不足から統計的な検討には至っていない。 その他,2020年度公表済みの介入実験結果の再検討については,介入時に提出された資料のテキストマイニングを実施し,練習の際には故障の箇所をあまり意識していないことが明らかになった。またシステム利便性の向上はクライアントのモバイル化と記録の簡略化を実施し気軽に試用が可能なシステムに再構築した。
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