本研究では,利用者の問い合わせに応じて適切な特表現学習ネットワークを結合するための手法,及びソフトウェアリポジトリ分析よるソフトウェア開発者の知識伝播モデルを構築するための手法を提案し,本手法を適用して実現される知的ソフトウェア開発支援ポータルサイトを用いてソフトウェア開発やプロジェクト展開等の際に生じる諸問題を解決する事により,ソフトウェア開発の生性向上,及び教育の効率化を達成する事を目的とする.2021年度の主な成果として,2020年度までに提案したソースコードの処理手順の深層学習によるソースコード推薦手法を拡張し,プログラムの処理手順の文脈をソースコードの抽象構文木の列として特徴表現をし,深層学習する手法の設計・開発を行った.従来手法では,プログラムの処理手順の文脈を深層学習するために,ソースコードの意味的な機能を表す機能語を事前に付与する必要があった.本拡張により,そのようなソースコードへの機能語の事前付与なしに,プログラムの処理手順の文脈を深層学習することが可能となった.提案手法では,自然言語の時系列データを扱うことができる深層学習モデルである回帰型ニューラルネットワーク(RNN)やTransfomerに適用することで,ソースコードの抽象構文木の列を深層学習し,学習により構築したソースコード機能推定モデルを用いて,入力されたソースコードに対して,処理手順を補完する機能を持つソースコード,および続きとなる機能を持つソースコードを推薦する点が特徴である.
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