研究課題/領域番号 |
17K00504
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
石原 学 小山工業高等専門学校, 電気電子創造工学科, 教授 (20211047)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | セキュリティ / e-learning / ネットワーク / 仮想現実 / 力覚 |
研究実績の概要 |
本研究は、情報セキュリティ教育に仮想現実の手法を取り入れ、ウイルスや攻撃を体験できるシステムを構築することで、通常は目に見えない情報の安全について理解させるシステムについて試作する。情報セキュリティ教育は一般的に、情報倫理教育との関係から、紙ベースやディジタルデータや利用しても演習方式(パワーポイントや実験など)を通して理解させる教材が多い。仮想現実と連動させた体験型のシステムについての開発例は無いようである本システムは従来の可視化技術の先にある仮想現実を導入することで、情報セキュリティの理解を深める教育システムの構築を目指し、e-learningへの導入を検討する。仮想現実の手法を取り入れ、ウイルスの危険度ごとに触れる感触の相違を実現する。さらに、組織内に感染したPCからの異常通信によるネットワーク内の通信量の多さ等の変化を、水の流れを触るように体験できるシステムを構築する。 本年度の研究では、セキュリティ強度(ウイルスの脅威)に対して、コーディック解析や脅威分析を行い直感的に力覚装置への反力としての力の動きに対応するようにデータへの変換を行い、特性について明らかにした。ウイルス感度の高いパケットを可視データとして赤色とし、脅威なしを青で表現した。力覚反応と色の対応を同期して操作できるシステムを構築した。また、ウイルス付きの添付ファイルなどは、隠れファイルとして大きなファイルになる傾向があり、ファイルをドロップとして送信しようとするとファイルサイズにより、重さを感じるようにアプリケーションソフトウエアを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①色彩とパケット量の関係付けた。 ②トラフィック量により時系列的に異常値を抽出して、色付けし、力覚の反応に対応付けた。力覚を操作するときの感覚量について特性を明らかにした。 ③特性をもとに、ネットワーク中で動作する異常なパケットを抽出して、力覚として感じることが出来るシステムを構築した。 ④パケットを箱型の立体として作成し、異常量に対応した色彩とパケット量を再現することができるように作成した。 ⑤パケットの異常量を抽出して、パケット部分を重さと感知して力覚に適応させた。
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今後の研究の推進方策 |
30年度に得られた実験結果を基として、システム構築の特性解析を行う。また、力覚特性の感覚再現として削る感覚特性について検討する。これは、経験的な特性量の再現を明らかにするもので、システムの総合的な特性に役立てる。 異なる複数の力覚装置を同一のプラットフォームで動作できるように、共通プラットホームの特性について分析する。これは、e-learningのプラットフォーム特性として、システム設計指針として利用できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験装置の修理が終了して、異装置間で同一プラットフォームについての操作性に関する研究を開始したところである。それらの実験を進める予定である。また、成果について学会等において発表するつもりである。
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