研究課題
本研究では申請者が製作した亜硝酸(HONO)測定用広帯域キャビティ増幅吸収分光法(IBBCEAS)測定装置を用いて、亜硝酸(HONO)の人為起源直接排出の一つである自動車排気ガスに着目し、自動車排気ガス中のHONO濃度を測定することでHONOの排出係数を算出する。現在国内で生産および使用されている自動車を対象とし、車種・年式・燃料などの異なる車両を対象に、排気ガスからのHONOの排出係数の差異に関する知見を得る。初年度は直噴エンジンを搭載した自動車またはディーゼルエンジンを搭載した自動車(普通乗用車)を対象としたHONO濃度測定と排出係数の算出を行う予定であった。しかしHONO測定に使用するIBBCEASの部品が破損し、またこの部品が販売中止となったため代替品の購入と代替品の規格に合わせた装置の改造と修繕に時間を要することとなった。またIBBCEASの故障に加えて申請者が所有するNOx計の感度低下による修繕および自動車排気ガス測定に使用するシャーシダイナモメーターの故障も発生した。以上の通り研究全体に関係する装置が不調となり、これらの修繕に時間を要したため、本年度は研究を進めることができなかった。現在HONO測定用IBBCEASおよびシャーシダイナモメーターの修復が完了し、IBBCEASについては申請時と同程度の検出感度まで修復できた。次年度は予定通り自動車排気ガス中のHONO濃度測定と排出係数の算出を行う予定である。
4: 遅れている
自動車排気ガス中に含まれる亜硝酸(HONO)を測定するための広帯域キャビティ増幅吸収法(IBBCEAS)の部品が破損し、またこの部品が販売中止となったため、代替品の購入および調整に時間を要した。また国立環境研究所が所有するシャーシダイナモメーターも修繕が必要となったこと、IBBCEASの感度測定に必要である市販のNOx計(申請者が所有)も感度低下による修繕が必要となったことなどから、今年度は自動車排気ガスの測定を行うことができなかった。
現在HONO測定用IBBCEASおよびシャーシダイナモメーターの修復が完了し、IBBCEASについては申請時と同程度の検出感度まで修復できた。次年度は予定通り自動車排気ガス中のHONO濃度測定と排出係数の算出を行う予定である。また当初予定では直噴エンジンを搭載した自動車またはディーゼルエンジンを搭載した自動車(普通乗用車)を対象としたHONO濃度測定と排出係数の算出を行う予定であった。しかし測定装置の修復に時間と費用を要したこと、また実験予定であった中古ガソリン自動車の借り入れ先が見つかったことなどから、今後はまず中古ガソリン自動車を対象とした排気ガス中のHONO濃度と排出係数の算出を行う予定である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
大気環境学会誌
巻: 52 ページ: 167-176
Atmospheric Environment
巻: 171 ページ: 91-97
http://dx.doi.org/10.1016/j.atmosenv.2017.10.014