研究課題/領域番号 |
17K00522
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小針 統 鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 准教授 (60336328)
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研究分担者 |
荒 功一 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40318382)
田所 和明 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 東北区水産研究所, 主幹研究員 (70399575)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 動物プランクトン / 生産力 / 生化学的アプローチ / 伝統的測定法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、実用的な動物プランクトン生産力測定法を確立し、日本周辺海域の動物プランクトン生産力マップを作成して、海盆~グローバルスケールの動物プランクトン生産力を測定するための研究基盤を形成することにある。本研究の目的を達成するため、①既往法のレビューと評価、②実用的なガイドライン確立、③方法論の比較と妥当性検証、④既往データベースを使った生産力測定、⑤動物プランクトン生産力のホットスポット探索、という課題を設けた。今年度は、以下のような成果を得た。 課題①については、伝統的測定法を総括し実用化に向けた前提条件・利点・問題点を記述したレビュー論文がProgress in Oceanographyで誌面発表され、いくつかの手法を組み合わせるべきことが推奨された。課題②については、伝統的測定法(経験的モデル・卵生産法・脱皮法)のガイドラインを作成した。課題③については、生化学的手法と伝統的測定法で求めた動物プランクトン生産力がよく一致することを国際学会で発表し、その成果を国際作業部会の報告書として作成中である。課題④および⑤については、既往データベースに経験的モデルを展開したところ、親潮域よりも黒潮域の動物プランクトン生産力が高いことが分かり、これも国際作業部会の報告書として作成中である。 すべての課題を達成することができ、これらの成果はいくつかの学術論文で公表された他、国際科学組織の科学報告書にて発表される。また、研究成果のアウトリーチとして、国際ワークショップ2件を実施した。コロナウイルス感染拡大に伴い延期したが、本研究課題に関する技術シンポジウムも実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由①:国際科学組織(PICES)・国際作業部会(PICES WG37)の活動を利用して、国際ワークショップ2件・国際会議1件を開催し、これに参加した研究者との協力によって課題①~⑤に関する成果を得ることができた。 理由②:本研究の成果は、国際雑誌に2件、国内雑誌に1件、国内学会に6件、国際学会に8件発表でき、国際科学組織の科学報告書においても掲載されることになった。 理由③:最終年度末に予定していたシンポジウムが、コロナウイルス感染拡大により延期となった(研究期間を延長して2020年度に実施予定)。
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今後の研究の推進方策 |
①本研究の成果物である学術論文や科学報告書について、分担者・協力者と協力しながら国際科学組織(PICES・ICES)を通じて広報していく。 ②代表者・分担者・協力者として申請中の研究プロジェクトに成果を活用する。 ③延期されている技術シンポジウムを開催し、本研究の成果を広報する。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度末に予定していた本研究に関するシンポジウムや論文発表が、コロナウイルス感染拡大により延期せざるを得ない状況となった。このため、このシンポジウムや論文発表に必要な経費を次年度に繰り越し、これらの経費に充てる。2020年度の12月までには経理を完了する予定である。
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