研究課題
本研究の目的は、実用的で汎用的な動物プランクトン生産力測定法を確立し、飼育および天然動物プランクトンによる確度を評価し、海盆~グローバルスケールの動物プランクトン生産力測定を促進するための研究基盤を形成することにある。このため、①実用的・汎用的な測定法の確立とガイドライン作成、②測定法間での確度評価、③既往データ・サンプルを使った測定法の展開、④動物プランクトン生産力測定の促進、という課題を設定した。課題①:既往法の前提条件・仮定・利点・問題点を検証したところ、多様な分類群・状況に汎用できる生理学的モデルおよびタンパク質合成酵素活性法が実用的であった。これらの検証内容とガイドラインは、総説論文2報および国際組織の科学レポートにて報告した。課題②:飼育および天然動物プランクトンを使って比較検証すると、いずれの測定法でも得られた動物プランクトン生産力の確度が高く比較可能なこと、併用すると時空間的に高解像な測定が可能であることが分かった。これらの検証内容は、国際組織の科学レポートにて報告した。課題③:既往データ・サンプルにこれら測定法を適用して、我が国周辺海域の動物プランクトン生産力を測定した。これまでの認識と異なり、黒潮流域でも沿岸域に匹敵する動物プランクトン生産力があること、近年の瀬戸内海では動物プランクトン生産力が衰退していることが分かった。これらの内容は、科学論文および国際組織の科学レポートにて報告した。課題④:国際科学組織の作業部会を設立し、様々な海域での動物プランクトン生産力測定を促進した。また、国際的ワークショップを企画・開催し、動物プランクトン生産力測定法の技術講習を行った。これらの結果は、国際組織の科学レポートおよびホームページにて報告した。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
Ichtyological Research
巻: 68 ページ: 164-170
10.1007/s10228-020-00758-2
巻: 68 ページ: 171-176
10.1007/s10228-020-00760-8
Marine Biology
巻: - ページ: -
10.1007/s00227-020-03810-x
Frontiers in Marine Science
巻: 8 ページ: 632876
10.3389/fmars.2021.632876
Biogeosciences
巻: 17 ページ: 2441-2452
10.5194/bg-17-2441-2020
Fisheries Oceanography
巻: 29 ページ: 442-456
10.1111/fog.12488
海の研究
巻: 29 ページ: 217-232
10.5928/kaiyou.29.6_217
Deep-Sea Research I
巻: 163 ページ: -
10.1016/j.dsr.2020.103337
https://meetings.pices.int/members/working-groups/wg37