| 研究課題/領域番号 |
17K00526
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| 研究機関 | 龍谷大学 |
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研究代表者 |
市川 陽一 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10371353)
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| 研究分担者 |
毛利 英明 気象庁気象研究所, 気象予報研究部, 室長 (10354490)
辻本 浩史 京都大学, 防災研究所, 特定教授 (40747490) [辞退]
井上 実 一般財団法人日本気象協会, 担当部長 (60578954)
佐々木 寛介 京都大学, 防災研究所, 特定准教授 (10578967)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 大気環境 / 熱環境 / 里山 / グリーンインフラ / 森 / 樹木 / 風洞実験 / ドローン |
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| 研究実績の概要 |
(1)大気汚染物質と熱環境の立体的な実態把握：最終年度は、龍谷大学隣接の里山・龍谷の森において、25m高鉄塔とドローンによって気温、湿度等の観測を行った。夏季の観測結果は、気温は地表付近ではキャンパス内の方が森内より2.5～4℃高く、地表面加熱の影響がおよぶ範囲は上空30～40mまでであること、樹冠の上空50mの気温や湿度は樹木の影響を受けていないことを示した。また、これまでに実施した大気質と熱環境の観測データの解析から、本研究の成果として樹木密度が870本/haと高い龍谷の森では、大気汚染物質の濃度分布は林縁からの減少と森中央での最小を示し、これまで言われてきた樹木による沈着や吸着の効果だけでは説明できないことを導いた。熱環境については、龍谷の森は熱中症予防運動指針の警戒・注意ランクを場所や時間によっては一つ緩和する効果があることを示した。
(2)風洞実験による輸送・拡散過程の解明：最終年度は、気象庁気象研究所の大型風洞を用いて、広葉樹の単列、森模型を対象とした気流・拡散実験と、前年度までの針葉樹の森模型を対象に上流の床面を加熱した拡散実験を行った。広葉樹模型の空隙率は10数%で、森内の濃度分布は樹木密度が同じ針葉樹の森模型の濃度分布と類似していたが、遮蔽効果は広葉樹の方が大きかった。また、床面加熱はトレーサガスの拡散を促進した。これまでの風洞実験データの解析から、本研究の成果として、樹木密度が小さい森ではトレーサガスの濃度は拡散により風上から風下にかけて単調に減少すること、樹木密度が高い森では龍谷の森と同様に森の中央で濃度が最小となり、樹冠を介した物質交換が小さくなることを得た。樹木密度が大きいと森の風下で逆流が生じ、森の風上と風下からトレーサガスが流入するというメカニズムを見いだした。
研究成果は大気環境学会誌に掲載され、グリーンインフラの一つの効果として提言した。
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