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2018 年度 実施状況報告書

人為起源粒子(PM1)の高時間分解測定と北東アジアの実態解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K00535
研究機関埼玉県環境科学国際センター

研究代表者

米持 真一  埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 担当部長 (90415373)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードPM1 / 人為起源 / 自然起源 / 濃縮係数 / 富士山 / O3
研究実績の概要

成果の具体的内容:2017年度のPM1及びPM2.5のPM714による1時間値データについて精査した。PM714により得られたPM2.5-1濃度は、補正がかけられていない値であることから、PM1と同様の計算式を用いて補正し、PM1との合計値を得た。当センターで実施している標準法による24時間捕集から得たPM2.5濃度とを比較したところ、両者は概ね整合していた。PM2.5濃度が粗大粒子の影響を強く受けた期間は、PM2.5-1>10ugは5日、PM1/PM2.5<0.5は51日あり、計52日がいずれかに該当していた。
また、7月24日から8月21日に富士山頂で1日単位のPM1採取を行った。採取はPM2.5シーケンシャルサンプラの分級部をPM1サイクロンに交換して行い、試料の水溶性無機イオンと無機元素成分の分析を行った。富士山頂のPM1濃度は1.9±1.7ug/m3であった。PM1に含まれる無機元素の濃縮係数(EFs)を、2017年に許可を得て採取した富士山表土の値を基準として求めた結果、人為起源と考えられる元素(Cr, Ni, Cu, Zn, Ga, As, Rb, Cd, Pbなど)はPM2.5のEFsと比較して2~100倍高く、自然起源と考えられる元素(Mg, Ca, Fe, Sr, Tiなど)は理論値である1に近い値となった。PM1濃度の上昇した期間の気塊の起源を後方流跡線により求めたところ、中国内陸部からの飛来を示唆するものであった。また同時期に、上海、韓国での同時採取も実施した。
なお、夏季には、大気境界層上部の標高1000m前後の大気汚染を調べる目的で、ドローンを用いたO3とPMの観測も行った。適したPM1計が見つからなかったことから、PM2.5で代用した。その結果、PM2.5には大きな差が見られなかったが、上空にO3の高濃度気塊の存在が分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

富士山頂でのPM1観測では、既設のPM2.5サンプラーの分級器を交換することでスムーズにPM1採取を行うことができた。一方、PM714のテープフィルター分析は、分類と前処理に多くの時間がかかり、現在進行中である。

今後の研究の推進方策

PM714のテープフィルターの分析を中心に進める。また、夏季の富士山頂PM1観測では12時間採取を検討する。大気境界層上部のPM計測については、PM1に適した計器を探索し、夜間を通した観測を検討する。

次年度使用額が生じた理由

予定していた学会への出張の取りやめによるものです。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] 上海大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      上海大学
  • [国際共同研究] 済州大学校(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      済州大学校
  • [学会発表] 富士山頂で連続採取したPM1による人為起源粒子の評価2019

    • 著者名/発表者名
      米持真一、堀井勇一、畠山史郎、小西智也、﨑山浩太、大河内博、Ki-ho Lee、SenlinLu
    • 学会等名
      第12回成果報告会(2018年富士山研究)
  • [学会発表] PM714によるPM1、PM2.5の1時間値の通年並行測定2018

    • 著者名/発表者名
      米持真一
    • 学会等名
      第59回大気環境学会年会
  • [学会発表] 富士山頂で2017年夏季に昼夜別採取したPM2.5の化学組成2018

    • 著者名/発表者名
      米持真一、堀井勇一、藤井佑介、畠山史郎、小西智也、大河内博、Ki-ho Lee、SenlinLu
    • 学会等名
      第59回大気環境学会年会
  • [学会発表] 微小エアロゾルPM1に関する最新の研究成果及び富士山頂におけるPM2.5計測から見えるもの2018

    • 著者名/発表者名
      米持真一
    • 学会等名
      日本環境技術協会第1回技術交流会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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