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2020 年度 実績報告書

人為起源粒子(PM1)の高時間分解測定と北東アジアの実態解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K00535
研究機関埼玉県環境科学国際センター

研究代表者

米持 真一  埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 担当部長 (90415373)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードPM1 / 自然起源 / 長距離輸送 / 無機元素 / 中国 / 石炭
研究実績の概要

4年間の測定値を集計するとPM2.5≧15μgm3かつPM1/PM2.5<0.5となった日は10日(2017年)、6日(2018年)、13日(2019年)、13日(2020年)であった。これらはPM2.5-1の増加によりPM2.5が上昇したため、テープろ紙を利用してPM1とPM2.5-1中の無機元素を分析した。例として2017年5月11日18時~12日はPM2.5平均値が18.9μg/m3。PM1/PM2.5比は5月12日0時~6時に0.2台まで低下したが、その後上昇し12時以降は0.7以上となった。比が低下した時間はPM2.5-1のAl、Ca、Ti、Na、Znが増加したのに対し、9時~12時はPM1のV、Cd、Pb、Crが増加した。前者は自然起源、後者は人為起源元素である。夜間から早朝は自然起源粒子の影響、日中のPM1増加は都市部からの輸送を示唆していた。
2018年夏季に富士山頂でPM1の24時間採取を、2019年は12時間採取を行った。PM1はPM2.5と比べて人為起源元素の濃縮が見られた。昼夜別PM1濃度は日中3.2μg/m3、夜間2.3μg/m3であった。石炭燃焼の指標としてAsに着目しAs/V比を調べると7月28日~30日に0.61~0.94、8月3日夜間は2.5に上昇した。後方流跡線は大陸の気塊輸送を示し、PM1の昼夜別採取の有効性が示された。
北東アジアの実態を解明するため、夏季と冬季に中国上海市と韓国済州島でPM1採取を行った。2019年度冬季以降は新型コロナウイルスの影響を受け、現地の試料採取に支障が出たため研究期間を延長したが、中国・韓国の状況に改善は見られなかった。唯一経年的試料が得られた済州島の夏季はPM1中のAs/V比は0.30(2017年)、0.17(2018年)、0.06(2019年)と減少が見られ、中国の大気汚染改善を反映していると考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] 上海大学(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      上海大学
  • [国際共同研究] 済州大学校(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      済州大学校
  • [雑誌論文] 富士山頂における昼夜別PM2.5中無機元素による発生源解明2021

    • 著者名/発表者名
      米持真一, 堀井勇一, 小西智也, Ki-Ho Lee, Yung-Ju Kim, 畠山史郎, 大河内博
    • 雑誌名

      分析化学

      巻: - ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 微小エアロゾルのフィールド研究と空気浄化用光触媒複合材料の開発2020

    • 著者名/発表者名
      米持真一
    • 雑誌名

      大気環境学会誌

      巻: 55 ページ: 10-19

    • DOI

      10.11298/taiki.55.10

    • オープンアクセス
  • [学会発表] ドローン(UAV)を活用した上空1000 mのO3の終夜計測2020

    • 著者名/発表者名
      米持真一,山本祐志,Wright Kristopher
    • 学会等名
      第61回大気環境学会年会
  • [学会発表] PM1の長期観測から見えたこと~PM2.5、SPM との比較から~2020

    • 著者名/発表者名
      米持真一
    • 学会等名
      第61回大気環境学会年会分科会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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