国内ではほとんど計測事例のない粒径1um/m3以下の粒子(PM1)の実態解明を行った。PM714を用いたPM1とPM2.5-1の1時間値測定の結果、PM2.5が15ug/m3を超えた日のうち、年間で6~13日は自然起源粒子の増加が原因と考えられた。富士山頂でPM1を昼夜別に採取し、化学分析を行った結果、夜間のPM1に含まれるAs/V比が特に高値になった期間は気塊が大陸方面から直接運ばれていた。また、韓国済州島のPM1中のAs/VとPb/Znには経年的な減少が見られ、中国の大気汚染対策の効果が現れていた。元素間の相関を調べた結果、AsのほかMoとSbが指標として有効である可能性が示唆された。
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