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2017 年度 実施状況報告書

高親水性化学物質対応の新規パッシブサンプラーの構築とキャリブレーションの簡略化

研究課題

研究課題/領域番号 17K00543
研究機関地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食の安全研究部及び水産研究部)

研究代表者

矢吹 芳教  地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境研究部、食の安全研究部及び水産研究部), その他部局等, 主任研究員 (00360818)

研究分担者 遠藤 智司  大阪市立大学, 工学研究科, 准教授 (30748934)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード化学物質モニタリング / パッシブサンプリング
研究実績の概要

(サブテーマ)高親水性化学物質に対応可能なPSの受容相(吸着剤)の探索、評価
パッシブサンプラーとして、本研究では浸透膜の中の受容相が微粒子状の樹脂であり、ターゲット物質に合わせて受容相の変更が可能であるPOCISを使用する。初年度は、高親水性化合物とも親和性が高いと考えられる5種の樹脂を選定して、これまでのPOCISでは測定が困難であったネオニコチノイド系殺虫剤との親和性を明らかにした。特に親和性が高かった吸着材としてグラファイトカーボン系と活性炭系が選定された。特に活性炭系の樹脂が親和性が高く、次年度以降のキャリブレーション実験および当該剤を充填したPOCISのモニタリングへの適用を検討することとした。
(サブテーマ)フィールド調査によるPSの精度検証
初年度は2年目以降にサブテーマ1および2で選定された受容相および浸透膜を用いた新規パッシブサンプラーの精度検証を行うための予備調査を行った。ネオニコチノイド系殺虫剤を施肥している環農水総研内の水稲圃場の排水路において、POCISを浸漬し、その水路で3回/週程度の頻度で6月にグラブサンプリングを実施した。排水路のネオニコチノイド系殺虫剤の濃度は施用翌日から高濃度で検出され、またPOCISを設置した会所は常に水の流れがあり、
新たな樹脂を充填した親水性化合物に対応した新規のパッシブサンプラーを評価するには適した環境であることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

親水性化学物質に適した樹脂を選定することができ、また、野外での検証準備も順調に整っていることから、研究が順調に進捗していると考えられる。

今後の研究の推進方策

初年度にサブテーマ1および2で選定した受容相および浸透膜を各々組み合わせた新規パッシブサンプラーの評価を行うため、それらを用いてキャリブレーション実験を行う。実験はバッチ方式で行い、恒温槽内で定温条件でスターラーで攪拌する。2年目は、20℃の条件で0~28日までの1連の予備実験により、浸漬時間と吸着量との関係を確認した後、3連での本実験を行い、Rsを算出するとともに、モニタリング可能期間の算定を検討する。また、透過実験装置を用いて1,4-ジオキサンおよびネオニコチノイド系殺虫剤の膜の透過速度を精密に求める。屋外実験として、予備調査を行ったフィールドにおいて、Rsの算出ができた数種類の新規パッシブサンプラーを水路に14日間浸漬し、その間の高頻度(2回/日程度)GSと平均濃度を比較することで、ネオニコチノイド系殺虫剤を野外で正確に捉えられているか検証する。

次年度使用額が生じた理由

分析に使用しているLC-MS/MSの動作不良が生じたため、ネオニコチノイド系殺虫剤の分析の一部が次年度に行うこととなったため、試薬代などの次年度使用額が発生した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] “環農水研”での化学物質の新たな調査手法及び情報基盤整備に関する取組2018

    • 著者名/発表者名
      矢吹芳教
    • 学会等名
      2018年度環境技術学会第18回年次大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 設置期間の違いがパッシブサンプラーへの農薬の蓄積性に与える影響2018

    • 著者名/発表者名
      矢吹芳教、小野純子
    • 学会等名
      第52回日本水環境学会年会

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公開日: 2018-12-17  

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