研究課題
今年度はネオニコチノイド系農薬であるジノテフランを解析に加え、それぞれの農薬がマクロファージおよびT細胞の機能に及ぼす効果について検討した。アセタミプリドについてはこれまでの検討で用いたMH-S細胞に加えて、マウス骨髄由来マクロファージ (BMDM)およびマウス気管支肺胞洗浄液 (BAL)中の細胞を用いてTLR7刺激によって誘導された炎症性サイトカインの発現について検討した。その結果、BMDMおよびBAL中の細胞においてもアセタミプリドは炎症性サイトカインの発現を抑制することが明らかとなった。また、BMDMについては貪食能および細胞表面抗原の発現についても検討し、アセタミプリドは貪食能を抑制するが、細胞表面抗原の発現にはほとんど影響を与えなかった。さらに、TLR4刺激で誘導される炎症サイトカインの発現に対するアセタミプリドの効果についても検討したが、こちらについては大きな変化は見られなかった。一方、ジノテフランはMH-S細胞を用いて貪食能およびTLR4あるいはTLR7の刺激で誘導した炎症性サイトカインの発現について検討したところ、どちらにもほとんど影響を及ぼさなかった。アセチルコリン受容体を発現する他の免疫細胞としてリンパ球があり、アセタミプリドおよびジノテフランがT細胞の機能に与える効果についても検討した。マウスT細胞株EL4細胞あるいはマウス脾細胞をアセタミプリドあるいはジノテフラン存在下でconcanavalin A刺激し、細胞増殖能を測定した。その結果、どちらの農薬もT細胞の増殖にはほとんど影響を及ぼさないことが分かった。以上のことから、アセタミプリドはマクロファージの機能を修飾させるが、T細胞の増殖にはほとんど影響を及ぼさないことが明らかとなった。また、ジノテフランはマクロファージ、T細胞のどちらにおいてもほとんど作用せず、機能に影響を与えない可能性が示唆された。
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