研究課題
これまでに検討を進めた中空糸モジュールの種類とサイズ、それに伴う各種条件から、宇部興産のポリイミド中空糸膜モジュールUMS-B5を用いることとした。試料大気の導入は、オイルフリーコンプレッサー(DOP-80SP, ULVAC)により0.5MPaで導入した。水蒸気試料の捕集には、ドライアイス-エタノールの2段トラップを用いた。ドライエアの出口とコールドトラップの後段にモレキュラーシーブのカラムを取り付け、水分収支を求めた。一方、中空糸膜モジュールにリボンヒーターを巻き付け50℃に保温した。本条件で室内大気を対象に実施した大気水蒸気捕集量は99%以上と高い捕集効率を有していることが明らかとなった。そこで、県内において本条件での屋外大気を用いた捕集効率確認を実施した。捕集時間は日中で5-8時間程度、夜間は15-17時間である。このとき、屋外の温度湿度を10分間隔でモニターし、捕集期間内の絶対湿度(g/m3)も求め、吸引流量と水分回収量から水収支を求めた。その結果、59.6-100%の範囲であった(n=286)。冬季は絶対湿度が低いため、冬季の捕集時間が短い時(5時間程度)ときは捕集効率が低い場合もあった。このときは、水分捕集量も5mL以下であり、絶対湿度が低い時期は捕集水分量と収率の確保の観点から1日程度のインターバルが望まれる。絶対湿度の高い夏季は90%以上の収率が確保できた。以上の事から、本システムは数時間から1日程度の高い時間分解能で水分を捕集することができることが明らかになった。
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Radiation Environment and Medicine
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