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2018 年度 実施状況報告書

突然変異生成におけるDNA構造位相と転写・修復・クロマチン構造変換の共役

研究課題

研究課題/領域番号 17K00566
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

堀端 克良  国立医薬品食品衛生研究所, 変異遺伝部, 主任研究官 (40402995)

研究分担者 増村 健一  国立医薬品食品衛生研究所, 変異遺伝部, 室長 (40291116)
山田 雅巳  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 教授 (80230481)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード転写 / 突然変異 / DNA修復
研究実績の概要

DNAは、日光紫外線、放射線、化学物質などの外的な要因、また生体の活動によって生じる活性酸素などの内的な要因により常に損傷を受けている。加えて、DNAに損傷を与える内的な要因として、転写やDNA複製などのDNA代謝に関わるタンパク質の影響も考慮しなければならない。DNA topoisomerase I (TOP1)はDNAに共有結合して一本鎖DNA切断(single strand DNA break; SSB)を入れることで転写やDNA複製の際に生じるDNA構造的位相を解消し、SSBを閉じてDNAから解離する。この一連のTOP1マシナリーが何らかの影響で阻害されることにより様々な問題が生じる。また、「転写と連携した突然変異生成」や各DNA修復系においてTOP1が相関して重要な役割を果たしていることが指摘されているが、どのようなメカニズムでそれぞれが相関しているのか、各DNA修復系にTOP1が直接的に必要であるのかなど全く明らかになっていない。上記を踏まえて、「転写と連携した突然変異生成」の発生と抑制の分子機構についてTOP1の関連性を中心に解析し、その詳細に明らかにすることを本研究課題の目的とする。今年度は昨年度に引き続き「転写と連携した突然変異生成」のメカニズム解析のための「転写を自在に制御した状況下における突然変異を解析する試験系」の構築を試みた。突然変異検出系の標的遺伝子として、転写制御領域を上流に配置して大腸菌gpt遺伝子を用いたDNAコンストラクトを作成した。このコンストラクトをファージベクターに組込み、Tet誘導系の細胞へ導入し、複数のクローンを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

突然変異検出系の標的遺伝子として、転写制御領域を上流に配置して大腸菌gpt遺伝子を用いたDNAコンストラクトを作成し、このコンストラクトをファージベクターに組込んだ系を作成した。これら由来のDNAを市販のTet誘導系の細胞へ導入し、複数のクローンを得た。Tet誘導系の細胞は2種用いたが、クローンが得られたのは片側のみであった。

今後の研究の推進方策

概ね計画通り進んでいるので、引き続き「転写を自在に制御した状況下における突然変異を解析する試験系」の構築を進める。また、目的のDNAが安定的に導入された市販のTet誘導系の細胞は1種のみであったため、市販のものに加えて新規に自らTet誘導系の細胞を作成し、同様に解析を進める。加えてTOP1タンパク質複合体構成因子およびそのファミリーの相互関係を詳細に明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

当該年度において、次年度分の一部を前倒し請求することで、当該年度に不足する必要試薬等を追加購入した。ここで購入した試薬等は大容量で購入する方が大幅に安く購入でき、また、当該年度残存分の試薬等は次年度にも用いる。この際に前倒し請求した残額により次年度使用額が生じたが、元来次年度に使用予定であったことに加えて、計画自体は問題なく進んでおり、次年度分助成金と合わせて当初の計画に従って使用する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] In vivo genotoxicity testing strategies: Report from the 7th International Workshop on Genotoxicity Testing (IWGT)2019

    • 著者名/発表者名
      Kirkland D, Uno Y, Luijten M, Beevers C, van Benthem J, Burlinson B, Dertinger S, Douglas GR, Hamada S, Horibata K, Lovell DP, Manjanatha M, Martus HJ, Mei N, Morita T, Ohyama W, Williams A
    • 雑誌名

      Mutation Research

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Standard protocol for the total red blood cell Pig-a assay used in the interlaboratory trial organized by the Mammalian Mutagenicity Study Group of the Japanese Environmental Mutagen Society.2018

    • 著者名/発表者名
      Chikura S, Kimoto T, Itoh S, Sanada H, Muto S, Horibata K
    • 雑誌名

      Genes and Environment

      巻: 41 ページ: 5

    • DOI

      10.1186/s41021-019-0121-z

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Pig-a アッセイの標準化に関する研究:バリデーション研究の推進とヒトへの適用2018

    • 著者名/発表者名
      堀端克良
    • 学会等名
      日本環境変異原学会第47回大会
  • [学会発表] Pig-a アッセイ2018

    • 著者名/発表者名
      堀端克良
    • 学会等名
      哺乳動物試験研究会 第73回定例会
  • [学会発表] Pig-a 試験2018

    • 著者名/発表者名
      堀端克良
    • 学会等名
      哺乳動物試験研究会 第72回定例会
  • [学会発表] Pig-a / PIG-A遺伝子変異試験によるヒトを含めたin vivo遺伝毒性モニタリング2018

    • 著者名/発表者名
      堀端克良
    • 学会等名
      平成30年度 日本環境変異原学会 公開シンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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