研究課題/領域番号 |
17K00567
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
道上 義正 金沢大学, 環境保全センター, 准教授 (90190678)
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研究分担者 |
辻口 博聖 金沢大学, 医学系, 特任助教 (00723090)
神林 康弘 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (20345630)
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
原 章規 金沢大学, 医学系, 准教授 (70507045)
原 丈介 金沢大学, 附属病院, 助教 (30710199)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 重金属 / 多環芳香属炭化水素類 / 大気粉塵 / 慢性咳嗽 / 気管支喘息 / 微小粒子状物質(PM2.5) |
研究実績の概要 |
2018年度は、大気粉塵中多環芳香属炭化水素類(PAH)により慢性咳嗽(気管支喘息、咳喘息、アトピー咳)の症状が悪化する患者のスクリーニング法としての好塩基球活性化試験を行う条件を決定したが、2019年度はPAHの代わりに重金属を用いて検討した。蛍光ラベルした抗体(PE-抗CD203c抗体とFITC-抗CD63抗体)を用いたフローサイトメトリーで、CD203cの平均蛍光強度とCD63の陽性割合を指標とし、スギかダニにアレルギーがある者の血液を用いて好塩基球活性化試験を行うための条件検討を行った。数名を対象として検討したが、重金属の場合はPAHと異なり、スギやダニ抗原により活性化した好塩基球が重金属によりさらに活性化することはなかった。 これまで微小粒子状物質(PM2.5)の成分と慢性咳嗽患者の症状の関連を調べていなかったので、まず以下の点について検討することにした。総浮遊粒子状物質(TSP)とそれに含まれるPM2.5の成分(PAHと重金属)の違いについて1から6月のデータを用いて検討した。TSPと同様に、PM2.5濃度も3から5月でその他の月より高かった。粒子あたりのPAH量はPM2.5のほうが高く、PAHはPM2.5にそれより粒径の大きい粒子よりも多く含まれていた。一方、重金属(カルシウム、コバルト、鉄、マンガン、鉛)の大気中濃度は、TSPの方が高い傾向にあった。特に、鉄とマンガンの濃度が高かった。特に黄砂期間中はほとんどの鉄がPM2.5より大きい粒子に存在していた。銅とニッケルの濃度はPM2.5で高い傾向にあった。大気粉塵の粒径により構成成分(PAHや重金属)が異なっていた。大気粉塵による健康影響を検討する上で、大気粉塵の構成成分の粒子径による違いを考慮しておくのが重要であることが分かった。
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