アクリルアミドはさまざまな毒性が懸念されているが、高温調理により食品中で生成される身近な有害化学物質として認知されつつある。しかし、食品に含まれる程度の濃度での毒性は、実験研究的には明らかにされていなかった。そこで、食品中の含量に相当する低濃度アクリルアミドを含む餌をゼブラフィッシュ成魚に約1か月間与えたところ、外見上の異常は観察されなかったが、脾臓が著しく肥大し、嚢胞形成、異常なヘモジデリン鉄の蓄積、炎症、マクロファージの泡沫化、感染の可能性、サイトカイン遺伝子の発現増加など、免疫系の亢進を伴う毒性が脾臓で発現することが明らかになった。
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