鳥類胚の発育に及ぼすネオニコチノイド系農薬の有害性を評価するために、ウズラ受精卵の胚培養技術を開発することで、放卵後からの任意の発生段階において、定量的に被験物質の曝露を可能とした。さらに、孵化に至るまでの全期間において、胚致死や発育状態について連続して観察することができた。イミダクロプリドの曝露試験を行った結果、高濃度区において、致死および発育遅延が顕在化し、生存率の低下が認められた。今後さらなる作用機序を解明するために、胚発生後期の生殖腺や副生殖器(ミュラー管、ウォルフ管)の形態、血中の性ステロイドホルモン濃度及び性分化関連遺伝子の発現量を有害性評価指標として利用できる可能性を示した。
|