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2019 年度 実績報告書

N2O同位体アナライザを用いた発酵残渣の品質と土壌のN2O生成反応との関係解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K00594
研究機関東京農工大学

研究代表者

利谷 翔平  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80725606)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード発酵残渣 / 亜酸化窒素 / 炭化物 / 溶存成分
研究実績の概要

発酵残渣の炭化物を土壌に施用した際のN2O抑制について計画していたが、十分な残渣を確保できなかったので、もみ殻炭化物を土壌に施用した際の亜酸化窒素(N2O)放出抑制および炭化物中の溶存成分がN2O削減にどのように影響するかを評価した。
畑状態の土壌に炭化物を施用すると、炭化物無施用土壌と比較して、炭化温度400 ℃で調製した炭化物では、30%N2O放出量が増加したのに対し、500および600 ℃では88および99%の削減率を示した。この傾向は、水田状態で培養した場合と同様だった。さらに、土壌中の無機態窒素は、高温で調製した炭化物を入れた系ほど、土壌中アンモニウム濃度が高く、かつ硝酸濃度が低くなる傾向にあり、硝化反応が抑制されている可能性が示唆された。
炭化物中の溶存成分がどのようにN2O生成に影響するかを調べるために、上記炭化物から溶存成分を抽出した。さらに、その抽出液を土壌に施用してN2Oの発生を調査した。土壌のみの系(対照系)に比べ、未抽出の炭化物あるいは抽出液を施用した系の方がN2O放出量は低くなる傾向にあった。さらに、アセチレン阻害法によりN2O還元速度も評価したところ、炭化物抽出液を施用すると、N2O還元速度が増加する傾向がみられた。ただし、SP値からはN2O還元が進行したかどうか判断ができなかったため、さらなる検討が必要である。N2O削減に炭化物の固形分および溶存成分がそれぞれどれほど寄与しているか推定したところ、400℃では溶存成分の寄与は4%だったが、600℃では46%にまで増加した。従って、高温で調製された炭化物では溶存成分もN2Oの削減に重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Eco-compatible biochar mitigates volatile fatty acids stress in high load thermophilic solid-state anaerobic reactors treating agricultural waste2020

    • 著者名/発表者名
      L. Meng, L. Xie, T. Suenaga, S. Riya, A. Terada, M. Hosomi
    • 雑誌名

      Bioresource technology

      巻: 309 ページ: 123366

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.biortech.2020.123366

    • 査読あり
  • [学会発表] 同位体分析による落水後の水田におけるN2O 生成反応の解明とバイオ炭によるN2O 削減の検討2019

    • 著者名/発表者名
      伊藤 有里子, 細見 正明, 寺田 昭彦, 利谷 翔平
    • 学会等名
      日本微生物生態学会第33回大会

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公開日: 2021-01-27  

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